1. われら涙もてひざまずき

2. われら涙もてうずくまり

ふたつの訳が同じNHKから放送されている理由はわからない。
たぶんチェック機能がはたらいていないんだろう。
バロックの森では一貫して2.でオンエアーしているが、他の時間帯の
番組では1.も何度も放送されている。

ことしの春だったか独語の原文を見てみようとおもった(↓)。

Wir setzen uns mit Traenen nieder.

瞬間あれっ!て感じ。というのも、sich sestzen は「座る」という意味で、
Setzen Sie sich,bitte.で お座りください の意。niedersetzen と分離動詞
にしても意味は同じだ。 nieder(=under) で「下に」という動作が強調されるんだろうか?
ともおもった。

いちおう念の為、じぶんの独和と図書館(数軒廻った)の辞書で調べてみた。
8種ほどみるも、
木村相良(日本ではいちばん古く権威?があるといわれる。もっともボーイは
アンチ権利なのであります。権利なんか糞喰えダ!)以下、nieder setzenは
たんに「座る」とだけでまったく素っ気ない。ついでにいうと、天邪鬼のぼくは同級生が
みんな木村相良を買ううんで、倉石五郎の岩波版を買っちまった。
37年前のことだ。

しかしながら、独和だけに頼るのはキケンだから独独にも当たる必要有りとみて、
各図書館を探したがどこにもない! ヴァーリッヒがあればサイコウなんだが。。

そこで一考して、独ヤフーを呼んでみた(文末)。
けっか、勿論「座る」意味だが、ゲリヒトとあるから、もともとは法廷用語らしい
(理解した範囲では)。つまり裁判官(判事)が裁判の開始のときに、(起立着席)
で使われたようだ。

(続く)

niedersetzen
Wortklasse: Verb

niedersetzen (I)
Erklärung: sich hinsetzen, sich auf einem Sitz niederlassen;
von Richter und Schöffen im Gericht: als Ausdruck der Eröffnung
der Gerichtssitzung.
vgl. niederlassen (I).
Sachhinweis: HRG. IV 1679 ff.
(以下略)

歴史的に古い表現らしい。
niederlassenと比較せよとあるが同意。
以下中世独語の文献から例を引用している(略)。

http://www.rzuser.uni-heidelberg.de/~cd2/drw/e/ni/eder/setz/niedersetzen.htm