邱 永漢著「香港」(直木賞受賞作品)に出てくる舞台を、ホンコンスターオーさんが
実際に各場面の現場を訪ねて、作品の筋と一緒に紹介された文章を戸田ゼミのご自分
のコラム「南から吹く風」に載せられた。(http://todaseminar.com/honkon/

連載は18回、一ヵ月半に及んだからお疲れ様でした!と申上げたい。
各場所の写真も添付されてるので一目瞭然。この中で、狭い香港でもまったく知らない処
も多々あり参考になった。多謝!

この作品を読んだのはもう三十年ほど前なので、筋はすっかり忘れていた。
覚えているのは、お茶の葉のサンプルをまず送って客先より本注文を取り、L/C(信用状)
が届いたら、梱包に葉をすこしだけ入れ、あとは石を混ぜて船積したことだ。もちろん、
詐欺行為である。


(ぼくは当時貿易業務ーおもに輸出ーの仕事をやっていたので記憶にのこったのだろう。)
いずれにしても「濁水渓」と同じく、戦後の香港時代ーどさくさの何か暗いハナシという
マイナーな作品だったという印象。主人公の晴れない鬱屈した雰囲気がよく描かれている。

なんと昭和31年の出版だから、もう50年以上前に書かれたことになる。


(続く)



「香港・濁水渓 」(中公文庫)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122007305/haihaiqsanqsa-22