フロントにいるわたしめがけて
彼はやってきた。

わたしを見つけた瞬間、
すごくニコニコしてこっちにやってくる。
ずっ~とわたしの方を見ている。

この人、わたしのこと好きなんかな、
しゃべったこともないのに、ほんとうにそう思った。

おかげで、その日はすごくハッピーな気分だった。


目ヂカラが強い、そういうものではなかった。




のちに、わたしはホンモノとはどういうものか知ることになる。



後日、ネットのニュースを見ていたらとある写真を見つけた。

こ の か お~!!



わたしはこの人の名前を検索した。画像検索もした。

間違いない。

あの日の彼は国際的な賞を受賞している俳優だった。

わたしは知らなかったのだ、彼の作品も名前も顔も。



ひきこまれるのは、ただひとつのことを見つめ
演じるではないけれど、目の前のことにただ向き合っているからなんだと思った。

ホンモノの光だった。


そりゃ選ばれるよ、向き合うってわたしにはむずかしい。

照れとか、まわりの目とか、気にしないで生きれたら
ただまっすぐに、