大の仲良しのエミリーがいつもカナンに、なんであたしは色気が無いんだろー、(ためいき)と悩みを相談して来る。



しかしそんな答えを知ってたら私がとっくにモテモテのウハウハになっているわけで、そしたらエミリーなんかと寂しい女子会をする時間もなく男遊びしているわけで、しかしそんなことは当然ないので、エミリーの問いにはもちろん答えられない。



イイ女になろうね、といつも二人で励ましあっていた。




この前家でワタリガニを食べていた時にふと思いだしたのだが、イイ女って何を基準にしてイイ女なのか。



周りに誰かイイ女の手本がいないか思い浮かべてみたところ、特に誰も思い浮かばなかった。


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イイ女が浮かばないなら悪い女を考えてみるのはどうか。悪い女だとなんかきこえが悪いので、一時期流行ってた悪女と言う言葉を使うことにした。



なんか悪女って言うと、不思議と魅力的な女性に聞こえるようになってきた。


定義としては様々だと思うけど、あたしなりに悪女とは自分の欲求を第一にするが故に周りを振り回してしまう、小悪魔な性質を持つ女性、だと思うのだ。

そう、つまり悪女はわがままなのだ!



わがままな故、自分の欲求には素直で物言いもストレート。

機嫌が顔にあらわに出るため、わかりやすいが扱いづらい。

けどただのわがまま自己中ならただの悪人。

悪女が魅力的なのはやっぱり自分を理解してくれる人に感謝をしているから。そこにかわいげが生まれる。故に同性異性関係なく相性がいい人とはすごくハマると思う。


エミリーは飛ぶ鳥落とす勢いの美貌の持ち主で、絶妙な天然ブラウンヘアーに、ふさふさのまつげは瞬きするたびに小さな気流を巻き起こし、潤った瞳は見つめる相手を引き込んでしまう、同性の私でもうっとりしてしまうのだ。



でも意中の男性の気はがんばって引くし、興味ない相手でもとても優しく接する。と言うか優しい性格なので、みんなに優しいのだ。

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エミリーはもうすこしわがままになればいい気がする。そこに色気が生まれる。



私は兎に角わがままで、いままで付き合ってきた男の子たちは大変だったに違いない。 

いきなりわがままを控えろと言われても何がわがままで何が正当な主張か、私にははっきり線引きできない。


と言うか私のわがままを可愛いと捉えてくれる人と一緒にいればいいだけの話ではないかとふと思った。

自分はみんながいいと思うような平均的な魅力ではなく、唯一のパートナーが認めた魅力的な女であればいいのだ。


それはエミリーも、カナンも、ほかのレディーたちもみんな同じ。


つまり結論は、魅力的でいるためには気を遣う度合いとか考えなくて良い。

好き放題自分らしくいて、それについてくる人たちと共に時間を過ごせばいいのだ。


なんて都合のいい結論!