Shortstory　Ⅰ　ショートストーリー　Ⅰ　：　M　（夢の中の現実）　1-3

９月に『赴任』（一応遊びではなく仕事だから赴任!!）・・・。

日本のジメジメした感覚からするとカラッとしていて

過ごしやすい日が続いていた。

でも流石に１０月に入ってからは、肌寒い日もあって

ここのところ体調がちょっと悪い。

風邪っぽい感じかな。

それにしても、来て早々の９月上旬は

例年のファッションウィークだったから・・・とてもテンションが上がった。

リンカーンセンターでの２０１５年春夏のコレクション・・・

またソーホーではこの時期みんなおしゃれで

モデルとふつうの人の区別がつかない位だった。

華やかさ満開!!

ニューヨークシティバレエや、メトロポリタンオペラも観たし、

なんだかここに来て芸術満載の秋という気がする。

日本では関心はあったけれどもそれほど足げに通うほどではなかったから、

所かわれば・・・というところか。

公園の木々は紅葉が始まっていて秋もきっとさらに深まっていくのだろう。

（続く）

Shortstory　Ⅰ　ショートストーリー　Ⅰ　：　M　（夢の中の現実）　1-2

美大を卒業後、Webデザインの会社に入って普通の『会社員』生活を

スタートさせた私だったのだが、そこは半年で辞めた。

今思えば、まわりからはもったいないと言われるし、

友人からはあなたらしいと言われる始末だし、親からは・・・

これはもうここでは言えない位の・・・・・・

もう散々・・・だった。

でも学生の頃から興味本位で続けていたモデル仕事の人脈や

以前出たコンテストの関係者の紹介で今のファッションブランドの仕事に

就けたわけだ。

それもたまたま卒制のストーリーボードとファッションを組み合わせた

商品が今の会社ラ・フォル・ジュルネ（La Folle Journée）の目に

とまったわけで・・・

私は運がいいと思う。

商品化したそれは、日本に於いてあるアーティストとのコラボ商品に

発展し、会社はそこそこの利益をあげることができたようだ。

多分ご褒美なのだろうか？・・・

中途入社で１年足らずの私を本場のニューヨークに研修名目で

派遣してくれたのは・・・。

いやきっとビギナーズ・ラックは当然１回だけで、

２回目からが勝負だということなのだろう。

でも最近つくづく思う・・・。

今までいた世界など考えたら狭いものだ・・・。

人間って、今いる場所、今の環境、出会う人でそこそこ視野が決まって

いってしまうけれどもどこか他に放り出されてしまうと

今までのことがなんだか妙に子供っぽく幼く感じられる。

そう私はこの街でひょっとしたら大人になれるかもしれない。

（続く）

注）ラ・フォル・ジュルネ（La Folle Journée→熱狂の日という意味

Shortstory　Ⅰ　ショートストーリー　Ⅰ　：　M　（夢の中の現実）　1-1

私は心地よく伝わる飛行機の微かな振動音の中
夢の中にいた・・・

夢と現実

その境界線などあるのだろうか？

夢が叶えばそれは現実であり

現実は限りなく続く夢の到達点・・・

もう一度自分が見た夢・・・いや現実を

振り返ってみよう・・・

目覚めたときに何か真実の糸口が・・・

見つかる事を祈って

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Magnolia Eternity：Before changing space

　　　　　　14days One day October AD 2014 NewYork　　　

空間位相転移14日前　2014年10月のある日　ニューヨーク

（プロローグ）

10月のニューヨークは日本に比べれば肌寒い感じだ・・・。

９月に来てもう１ヶ月も経つのだが、足早に歩くニューヨーカーは

東京に居た時に感じた猫背のせせこましさ（悪く言えば）とは

違ってみんなが胸を張った堂々とした・・・

何というか力強さを感じる。

巨大な街であり、それを構成しているあらゆる人種が織りなす

営みから生まれるエネルギーが・・・

日本に居た時に感じていたそれとは明らかに違うのだ。

それは毎日が刺激的で目新しいという一般的な感想などではなく、

ここに来てカタコト英語で何とか食材を買い、

地下鉄を何度も間違って乗り過ごすとか、

ひどい渋滞の道路を信号はお構いなしでまわりといっしょに

平気で横断出来るようになったとか・・・

そんなさりげない日常がたまらなく楽しいのだ。

それがたとえ一人の生活であったとしても・・・。

そう私はこの街が好きになりつつある・・・。

（続く）

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