こんにちは

心理セラピストの野沢ゆりこです。

東京・千葉で活動しています。

野沢ゆりこのプロフィールはこちら

どんな人に向けて活動しているの？

自己否定が強い

自分責め、罪悪感が強い

そんな人が過去はどうであれ、

「私っていいな」に変わるセラピー

を目指しています。

週末はリトリーブサイコセラピーのセラピスト養成コース、

ハイパートレーニングコースに見学参加してきました。

卒業生も一緒に参加して学べるので、

いい機会を貰えて感謝の2日間でした。

受講生たちの早朝の自主堀練（カウンセリング練習）もオブザーバーを

させていただき、私の方も勉強になりました。

ハイパー生のみなさんと一緒に、私も学びを深めていきます。

負けてられないわ！

未熟な親と傷つく子供シリーズ
①子供の成長を喜べない親

このシリーズでは、「未熟な親」のもとで成長してきた子供が抱える痛み、

親が自立を喜べない背景、そして子供が人生を取り戻すためのプロセスを、

解説していきます。

親との関係で悩んできた方が、心の整理と理解の手ががりになればと思います。

子どもの成長を喜べない親の心理

「このまま大きくならないでほしい」

「いつまでも幼いままでいてほしい」

「ずっと無邪気でかわいいままでいてほしい」

──そう願う親は少なくないようです。

しかしその気持ちが強くなるほど、子どもをそっと見守るのではなく、成長を抑えようとする無意識の力が働くことがあります。

このブログでは、その背景にある心理について解説します。

1. 幼い子どもに必要とされる心地よさ

幼児期の子どもは、親を全面的に必要とします。
抱っこをせがまれ、甘え、頼ってくる──親にとってこれほど満たされる時間はありません。

そのため、

子どもがひとりでできることが増える
親の手を離れていく
親以外の世界を持ち始める
といった変化を、「喜び」ではなく「寂しさ」として受け取ることがあります。

この寂しさは自然なものですが、強すぎると「ずっと必要とされたい」という願望に変わります。

2. 役割の喪失への不安

子どもが成長し自立へ向かうと、親はこれまで担ってきた役割を徐々に手放すことになります。

毎日の世話
判断の代行
情緒的な支え
“守る相手”という存在意義

これらが弱まると、親は
「私はこれから何を支えに生きていけばいいんだろう？」
という喪失感を抱きやすくなります。

つまり、子どもの成長は親自身の人生の問いを浮かび上がらせることがあるのです。

3. 親自身の孤独感や未解決の課題

親が心理的に満たされていなかったり、自分の親との関係に心の傷がある場合、子どもを“心の支え”としてしまうことがあります。

すると、

子どもが離れると自分が空っぽになる
子どもが自分と違う世界を持つと不安になる
子どもの「自分と違う意見」を受け止められない
といった反応が生じます。

このように、親の未解決の感情が、子どもの成長にストップをかける力として働くことがあります。

4. 「私なしでは生きられないでいてほしい」という無意識の願望

表向きには「あなたのため」と言いながら、実際には

成長を歓迎しない
自立を妨げる
選択を奪う
感情や意見を抑え込む
といった態度につながることがあります。

このような関わりは、心理学では境界線の曖昧な親子関係（融合・支配的関係）と呼ばれます。

そこには、
「自分の安心のために、子どもを幼いまま留めておきたい」
という無意識のエゴが潜むことがあります。

5. 子どもの成長が脅威に感じられる理由

子どもの成長を喜べない親が抱きやすい感情には、次のものがあります。

● 子どもに置いて行かれる寂しさ

「いつか自分の元を離れていく」という現実が怖い。

● 子どもの自立＝親の役割の終了

「私はもう必要とされないの？」という不安。

● 子どもの意思や選択が、自分のコントロールを外れる恐れ

自分と異なる価値観を持ち始める子どもを受け入れにくい。

● 親自身の人生の空白があらわになる

子育て以外の自分の幸せを見つけられていない状態。

これらの感情が強いと、子どもの成長を「嬉しいこと」として受け取れなくなりがちです。

6. エゴと愛情の違い

「成長しないでほしい」という願いには、2つの方向性があります。

◎ 愛情から生まれる自然な寂しさ

可愛い時期が終わるのが寂しい
自立は応援しているが、気持ちが追いつかない

これは健全な親心の一部です。

◎ 自立を阻む方向に働く感情（エゴ）

子どもの選択を尊重できない
子どもが離れようとすると不機嫌になる
親の安心のために子どもを縛る
子どもの人生ではなく「親の都合」を優先する

こちらは、子どもの健全な成長に影響を与える可能性があります。

7. 子どもは親のものではない

どんなに大切でも、子どもは親の所有物ではありません。
親の役割は、子どもを「離れていける存在へ育てること」です。

子どもの成長を喜べない瞬間があってもいい。
ただ、その感情の奥には必ず“親自身のテーマ”があります。

そのテーマに向き合えると──
親自身の人生も、子どもの人生も、より自由で豊かなものになります。

心理セラピーの現場には、ご自身の親との問題、子育ての問題を抱えた方がご相談に来られます。

心理セラピストは、あいまいになっていた親と子の境界線をきっちり線引きすることや、心を育てていくためのお手伝いをさせていただいております。

次回は、シリーズの２回目、「未熟な親に育てられた子供はどんな心理的影響を受けるのか」について書きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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未熟な親と傷つく子供シリーズ ①「子供の成長を喜べない親」

未熟な親と傷つく子供シリーズ　①「子供の成長を喜べない親」