こんにちは

心理セラピストの野沢ゆりこです。

東京・千葉で活動しています。

野沢ゆりこのプロフィールはこちら

どんな人に向けて活動しているの？

自己否定が強い

自分責め、罪悪感が強い

そんな人が過去はどうであれ、

「私っていいな」に変わるセラピー

を目指しています。

いいお天気の金曜日です。

いかがお過ごしですか？

最近は読書しながら寝落ちする日が多いです。

難しい本はいい眠りに導いてくれます。。。

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AIがあればもうカウンセラーはいらない？

〜心を映す鏡としてのAI〜

最近、「AIがあれば、もうカウンセラーはいらないのでは？」

という声を耳にします。

チャットで優しく話を聞いてくれるAI、アドバイスをくれるAI、共感してくれるような返答までしてくれるAI。

技術の進化によって、まるで“心の相談相手”のような存在になりつつあります。

では実際、AIがあれば人間のカウンセラーは不要なのでしょうか？

心理セラピストの立場から、掘り下げてみたいと思います。

AIに相談することのメリット

AIに悩みを打ち明ける最大の利点は、「気軽さ」と「匿名性」です。

相手が人間ではないからこそ、評価や偏見を気にせず、本音を言葉にしやすいという人も多いでしょう。

また、AIは24時間いつでも応答してくれるため、

「夜中にふと落ち込んだとき」や「誰にも言えない気持ちを整理したいとき」にいつでも寄り添ってくれます。

さらに、AIは心理学的な知見をもとに、思考整理や認知のゆがみの修正などをサポートしてくれることもあります。

「話す」こと自体が感情の整理につながる

――その意味では、AIへの相談も立派な“セルフケア”の一種です。

AIは今や、あらゆる世代の人にとって、頼りになる存在・欠かせない存在・万能の相談相手になりつつあるのかもしれません。

AIの限界と「共感の模倣」

AIの限界は、「感情を持たない」ことにあります。

共感的な言葉を返しても、それは「共感の表現の模倣」であり、「共感の体験」ではありません。

最近のAIは進化が目覚ましく、もはやAIにも感情があるのでは？と感じることがありますが、それは自分の心の一部をAIに投影しているからです。

人間の共感とは、感情のキャッチボールのようなものです。

相手の表情、声の震え、沈黙の間

――そうした非言語的な情報の中にこそ「理解されている」という安心が生まれます。

AIはその“間”を感じ取ることができません。
つまり、人間特有の情動の共鳴が欠けているのです。

ただし、AIに「情動の共鳴」がないことは、必ずしも欠点ではありません。

他者の感情に巻き込まれるのが怖い人、回避傾向の人にとっては、AIの変わらぬ穏やかさが“安全な関係”として安心をもたらすこともあります。

AIに映る「心の投影」

AIとの対話では、しばしば心理的投影が起こります。

それは、かつて誰かにわかってほしかった気持ちや、満たされなかった願いを、AIという“安全な他者”に向ける現象です。

AIは否定せず、怒らず、優しく応答します。

だからこそ、「この存在なら、私をわかってくれる」と感じやすいのです。

けれどその“わかってもらえた感覚”は、AIがあなたを理解した結果ではなく、あなたの中にある「理解してほしい」という願いが形を取ったものなのです。

擬似共感がもたらす影響

AIとの擬似共感は、短期的には心を和らげることがあります。

けれど長く続くと、「理解されているようで、されていない」感覚が積み重なり、
やがて虚しさや依存を生むこともあります。

もうすでに気がついている人も多いかもしれません。

AIにどんなに相談しても虚しいことに。

AIにどれだけ回答してもらっても物足りないことに。

AIは決して悪意を持ちません。

それが安心感を生む一方で、「人間関係の揺らぎ」や「すれ違い」を経験する機会を失うことにもつながります。

実際の関係の中でしか得られない“心の成長”や“回復”があるのです。

心理的投影と擬似共感の理解

AIと会話しているとき、私たちは実は“AIと話している”というよりも、

自分の中にある感情や優しさをAIを通して見つめています。

それが「心理的投影」。

そして、AIの返す共感的な言葉に心がほどけ、「わかってもらえた」と安心する

それが「擬似共感」です。

その安心は確かにやさしいものです。

けれど、そこに見つけた温かさを、

どうか実際の人間関係の中で交わしてみてください。

AIが映したあなたのやさしさは、本来、他者と分かち合うためにあるのですから。

AIを「心の鏡」として使う

AIは、あなたの感情を映し出す鏡になれます。

大切なのは、AIに答えを求めることではなく、AIとの対話を通して自分の心の声を聴くことです。

たとえば、AIに話したあとにこう問いかけてみてください。

「私は今、何を求めてこの言葉を返してほしかったのだろう？」
「どんな気持ちを見てほしかったのだろう？」

その問いの中に、あなた自身の心の真実が隠れています。

結びに ― あなたのやさしさを、あなたへ

安心させてほしい。
答えを教えてほしい。
受け止めてほしい。
わかってほしい。

優しく寄り添ってほしい。

かつて求めてもかなわなかった思いを、AIに求めていませんか？
そして「やっと出会えた」と思っていませんか？

それは、長い間心の中でくすぶっていた「心の叫び」かもしれません。
けれど、AIが映しているのは――実はあなた自身の中にすでにあるやさしさなのです。

どうかそのやさしさを、これから出会う誰かに、そして自分自身に向けてあげてください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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