何年ぶりだ?カシオペア3rdライブ | 雲、樹、チャリと本を愛でる日々

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山の手育ちは野生に帰ることができるのか?
復興支援にどこまで尽力できるのか?
今生で何冊本が読めるのか?
肩の力を抜いてお伝えします。

ワタシが社会に出た初めての年。やりたいことを仕事にするには実力が全く足りず、そこに向かう道がどこなのかも分からず、もがきまくっていた。いわゆるOLをしていたが、古風な会社に全く適応できず…それまで「男女の役割」など考えもせず自由に過ごしてきた私には、苦闘の日々だった。

そんな時にパワーをくれたのが、カシオペア。

たまたま同期入社のMちゃんもファンで、この年には、二人でせっせと東京で行われたすべてのライブに行ったのだ!

当時のメンバーは、野呂一生、桜井哲夫、神保彰、向谷実。思い返すと、おっさんたちがお酒を飲んで憂さをはらすように、彼らの音に熱狂していたのかも。「ASAYAKE」が始まると、「あ~、この楽しい時間が終わってしまう…」という寂しさとともに、体の中にぐわーーっとエネルギーが湧き起こり、帰り道ではMちゃんと「これでまた次のライブまで頑張れるね!」なんて話したもんだ。

あれから幾星霜。メンバーが変わったり、こちらの生活が変わったりですっかりご無沙汰してしまっていたが…いやはや、時間が流れましたなぁ。

頭の白い人も多い会場。ワタシはかなり若い方だべな…と思っていると、会場が暗くなってメンバー登場。ひゃー、白シャツの野呂一生、髪も白くなってるよ。ドラムの向こうに座る神保サンは、遠目なので昔と変わらないように(スリムなままだし)見えるけど…。

演奏が始まった。

社会人一年生の記憶ががーーっと蘇り、目頭が熱くなる。35年の歴史をたどるように、初期の曲から3rdの曲まで。キーボードの向こうでパカッと口を開けた向谷実がいないのが慣れない感じが…。でも、やっぱりカシオペアだ。

ベースの鳴瀬サン、「年金をもらえるようになった」とか、介護保険の話なんかを始めるので、そんなにじじいだったのか…と感心していたら、なんと、リハーサル中にお母様が亡くなったとのこと。「あー、暗くならないで!97歳だよ、大往生だよ!」

彼のパワフルなソロで会場総立ちになり、やっぱり最後は「ASAYAKE」で、昔と変わらずおっちゃんたちが腕を振り上げる。

変わらないっていいなぁ、と素直に思った。

23歳のワタシが目指していた、「好きなことで稼げる」ようにはなったが、未だにもがいているワタシ。いつまで自分に投資して勉強していくんだろうか…。

今夜、カシオペアの変わらぬパワーとサウンドに身を浸し、「そうだよ、10年後、20年後の自分を夢見て頑張っていていいんだよ」と、以前とはちょっと違う、でも、変わらぬ力をもらったのでした。