先日、学生時代の同期4人と会う機会があった。

5年ぶりかな。


うち2人とは賀状のやり取りもしていて

昨年は母が亡くなったので、喪中のお知らせを出していた。


夕飯の集合場所に向かうのに

うち1人と会えたので、一緒に歩いて向かっていた。


会話の流れで、ご両親はお元気?と聞かれた。


え? 昨年、喪中を出したし、彼女はご丁寧に後日手紙をくれていたからだ。

その中の文面に

私たちもそういう年齢になりましたね、とあり

その時も、その文面に若干の違和感を抱いていた。

あれ?記憶にないけど、彼女もどちらか亡くされてたっけ…と。

そんな記憶もなかったので、確かにそういう年齢になったのは、そうなのだけど…と

微妙な印象を抱いたことを思い出した。


答えにつまりながらも


あ、母は昨年亡くなったので…と答えると

彼女はすぐに思い出して、そうだったね、と。

なんとなく、さらに父は元気なのか?と追い討ちをかけてきそうな気配を察し

父も先日亡くなったばかりであることを話した。


そうだったんだ…うちはまだそうなったことないから

分からないんだけど…なんたらかんたら…何か言っていた。


そっか、彼女の両親はまだいらっしゃるのね…と

そんなことを思いながら、後の言葉は、あまり耳に入らなかった。


もちろん喪中のお知らせしたことを忘れてしまうこともあるだろうし

うっかり世間話の流れで聞いてきたのだろうし

彼女に悪意がないことも分かっているのだが

昨年手紙を受け取った時に、

そういう年齢になりましたね、で片付けられたかのような違和感を

また思い出すことになった。


その後、集合場所に早く着き

彼女と2人で着席して待つことにした。


基本的に彼女は、たまに会った時は、結構根掘り葉掘り聞いてくるのだが

そうこうするうちに、私の家のことを聞いてきた。

聞かれるままに、ポツポツと場所や建てるまでの経緯を話したのだが

家が見たいなぁ、どんな家なんだろう、行ってみたいなぁと

何度も何度も何度も言ってくる。


父が亡くなったばかりだし

今までの病院や介護関係の書類も山積みで片付けてないし

今後の相続関連の手続きなど大変だし

母の遺骨もそのまま家にあるし

とても誰かを家に呼べる状態でもないし、気分でもないんだよなーと

内心ぼんやりと思いつつ、


そうだね、まぁいつか機会があれば…と言葉を濁して

曖昧に相槌を打った。


私自身、昨年母を亡くして、家族を亡くすことの衝撃の大きさを知った。

それこそ、この年になれば、友人や親戚や仕事の同僚や、お世話になった方など

いろんな別れを経験しているものだろう。

それがあっても、親を亡くすというのは

比較にならないほどの別次元の喪失感だった。


身近な人を亡くす悲しみやショックは

経験してみないと分からないのだなぁと私自身も昨年と先日に分かったことだ。


だから、何もそれを久しぶりに会う人に

分かってもらいたいと思っているわけではない。


ただ…

昨年母を、そして1月ほど前に父を亡くしたばかりの相手に対して

家が見たいなぁ、行きたいなぁ、と、しつこく言うのって


ちょっと変じゃね?😅


昨年の手紙に感じた微妙な違和感と通じるものがあった。


まぁ彼女とは、ほどほどの距離感でいよう。


それと…

私もかつて、誰かに対して、そんな無神経、不躾な言動を

知らず知らずにしていたのかもしれないなぁと思った。


人の悲しみを推しはかれる人になっていきたい。