「残像に口紅を」 筒井康隆

 

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。

 

 

以前、番組で紹介されていたので。

 

文字が段々と消えていき、使えなくなっていく。

そしてその物・人は消えていく、というとてもオリジナリティーに富んだ小説。

 

「あ」が使えない世界から始まったのかな。

登場人物のセリフだけでなく、文章全てにその文字を使っていません。

「あ」を使わずに、他の文字を使わずにこんなに表現できるとは...と感心はしますが本の面白さはまた別の話で・・・

サクサクページが進むかと言われると・・・(以下略)

 

以前に読んだ「旅のラゴス」とはまた全然違いました。

しかし...その文字を使っていないか、校閲するのが大変だっただろうな、と勝手な心配をしたり。