「AX」伊坂幸太郎

 

(2018年 本屋大賞 ノミネート 第6回静岡書店大賞(小説部門) 大賞 フタバベストセレクション2017(フタバ図書) 第1位)

 

最強の殺し屋は―恐妻家。「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作!書き下ろし2篇を加えた計5篇。

 

 

主人公は実は殺し屋、という設定でそちらの話かと思ったら、そんな殺し屋の日常の風景が描かれます。

妻に頭が上がらない兜。 そして息子とのやりとり。 前半はほのぼのとした雰囲気でもあります。

殺し屋がメインの話じゃないんだな~と思わせておいて、後半はぐっとシリアスになります。

 

そのシリアスな展開も前半の流れがあるからこそ、引き立つものがありました。

最初は何気なく出ていた家族ですが、そんな妻とのエピソードや、後半活躍する息子。

とても良かったです。 心動かされました。

伊坂幸太郎さんの小説の中でも指3本に入るくらい、良いと思えました。