「デブを捨てに」 平山夢明

 

「うでがでぶか」。借金まみれの俺は、わけのわからぬまま、“デブ"を、黄色いスパイダーに乗せて北へ向かった……表題作の「デブを捨てに」をはじめ、〈シュール〉な設定、乾いた〈ユーモア〉と、エッジの効いた〈表現〉で、〈最悪の状況〉に巻き込まれた男たちを、独特のスピード感あふれる文体で、泥沼のような日常を疾走するように描く。
どこへ行くのかわからないスリルをあなたにお届けする、全四編の平山夢明〈最悪劇場〉。これぞ、小説表現の極北を目指す著者の真骨頂。
「まあ、大変、買わなくちゃだわ」

・他の収録作
「いんちき小僧」腹が減って腹が減ってしかたのない俺は、コンビニでキャラメルひと箱をくすねるが、店の女に捕まった。女は、警察には突き出さず公園に連れて行くと、一発ぶん殴ったら許してやると言う。やがて、その様子を見ていた男から奇妙な提案をされる……。
「マミーボコボコ」捨てた娘から三十五年ぶりに手紙をもらったおっさんに頼まれて、ついて行った先は、娘が嫁いだ大家族の家。そこでは、"ビックパヒー"なる父親以下、大家族の密着テレビ番組が収録中で……。
「顔が不自由で素敵な売女」行きつけのバー「でべそ」で酎ハイ二杯を飲んで、いい気分になった俺は、公衆便所のような臭いのするヘルスの個室で、ハラミという夏の日のコーラフロートのような頭のブスに、とびきりのサービスを受けていた。
「デブを捨てに」借金の返済期限が来たが、金を返せなかった俺は、事務所につけていかれボコボコに締め上げられたあげく、「腕とデブ、どっちがいい」か選ばされる。俺は、よくわからず「デブ」のほうを選ぶが……。

 

 

この間読んだ、「他人事」の平山夢明さん。 短編4本です。

 

これは面白かったです!

前回ほど猟奇的じゃないんですけど、読み出したら止まらなくなりましたね。 

不思議でダークな世界観がやみつきになります!

4本ありますが、どれも面白かったですよ。

また他の作品も読みます!