「ナニカアル」 桐野夏生

 

(島清恋愛文学賞・第62回(2010年) 讀賣文学賞小説賞受賞作)

 

昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。

 

 

 

最初は普通の小説と思って読んでいましたが、読み終えて、主人公の林芙美子が実在の小説家だと知って、また見方が変わりました。 戦時中の話なんですが・・・桐野さんはこういうのが上手いですね。 臨場感があります。 

巻末に書いてあった、参考資料の数!!3~4ページはずらずらっと書いてあったんじゃないかな。

 

読みにくかったところといえば、とても登場人物が多いので名前を覚えるのに疲れました。 大した役どころじゃないのに登場するのは実在する人物だからでしょうか?

 

完全なるフィクションであれば、微妙な作品でしたが実在の人物を書いたとわかれば読み応えがあると思います。 興味のある人は、というところですね。