「恋愛中毒」 山本文緒

 

 

(第20回(1999年) 吉川英治文学新人賞受賞作)

 

もう神様にお願いするのはやめよう。―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。

 

 

この小説は思っていたイメージとかなり違いました。

 

タイトルからすると、どっぷり恋愛小説かと思いますが、物凄くドラマティックな展開が・・・・・と思いきや、そうでもなく割と淡々と進んでいきます。

ん~~?と思いながら読んでいくと、最後、うわっ!っていう。

そうきたか、っていう。 この展開は面白かったですけどね。

かなり毒がある展開ですけど。

 

だから、私の中ではこの作品は恋愛小説というよりも、ミステリー作品という位置づけになりました。

ミステリーとして読んだら面白いですけど、恋愛小説として読むと、ちょっと期待はずれかもしれません。