「夜行」 森見登美彦

 

”僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。

私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。
十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 ”

 

 

自分的にちょっと読みにくかったんですけど、ざっくりと、物語は好きです。

不思議なお話で、学生時代の仲間が集まるわけですが、皆奇妙な体験をしていて、

それがすべて岸田道生という画家が描いたシリーズものの絵、「夜行」で繋がってるんですね。

連作短編のような感じで、その集まった仲間が順番にエピソードを話していくような形式。

 

最後も好きな展開でしたが、表現の面であまり好みでなかったというか。

登場人物、全員浅い・・・・全員です。  なので間を空けて読むと誰が誰だかわからなくなってしまった。 

そのへん、もうちょっと個性が欲しいです。

それともっと独特の不思議な世界観だったり、不気味さだったりが文章から伝わってくるといいなぁ。 

私の好みで言うと物足りなさを感じました。 もっと欲しい。

 

そのへんがもうちょっとしっかりしていれば、かなり好きな本になっていたかも。

「夜行」のレビューが評価が高いので、そんな風に思っているのは私だけなんだろうか?と疑問ですが、私の感想はそんなところでした。