
「粘膜蜥蜴」 飴村行
”国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。”
こちら、粘膜シリーズでシリーズ化されておりますが、特に続編とか、そういうわけではなさそう。
読んでみた感じは思っていたのとは違った!
表紙ほどホラーという作品ではありませんでした。 読む前の想像とは随分、違う。
独特、ですね。 不思議なんですよ、とにかく。
まず時代背景が古いので慣れるまでしばらくかかりました。 後はサクサク読めるんですが。
戦前のお話ですね。 時代背景が古くて尚且つダークな要素もあり・・・・・
どこかで味わったこの感じ・・・と思ったら、手塚治虫の漫画を読んだあの感じと似てますね。
そしてどういう話なのかよくわからないんです。
いや、内容はわかるんですが。 いわゆるホラーとも違うし、時折ほっこりとした場面も出てくるし
かといえば乱暴なシーンも出てくるしで。 いきなり場面がガラリと変わるしで。
まず、小説のジャンルとして何になるのかわからないのです。 そんなに怖くもないし。
そして物語の着地点が途中まではサッパリわからなかったのですが、
最後まで読んでみれば、なるほど。 いろいろ伏線が張られていたのか、と納得。
相対して言うと、面白かったです!
独特で非常に個性的な作品と言えると思いますが、面白い。
また他の作品(粘膜シリーズ)も読んでみます。