「殺戮にいたる病」 我孫子武丸
「殺戮にいたる病」、よく耳にするので読んでみました。
面白かったですっ！！
本の説明文はこうなっています
↓
『永遠の愛をつかみたいと男は願った―――
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。 犯人の名前は蒲生稔！
繰り返される凌辱の果ての惨殺。 冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。』
原作の我孫子武丸さんは「かまいたちの夜」の人ですね。
物語は３人の視点で進んでいきます。
猟奇殺人者の蒲生稔
そして母親の雅子
殺された敏子と親しくしていた、元刑事の樋口
まず、主人公の蒲生稔ですが、異常性愛者なんですよ。
彼の中で死と愛が結びついてしまったんですね。 それで女性を殺して屍姦をするんです。
どこかで聞いたような、と思ったら神戸市児童連続殺傷事件の少年Aと似てますね。
雅子さんは雅子さんで、息子のゴミ箱を常習的にあさったりするんですね(￣▽￣;)
で、普通に殺人のシーンだけでもグロいのに、そこに異常性愛が入ってくるので
ダメな人は本当にダメだと思います。 私もドン引きするようなシーンがたくさんありました。
読んでいて気分が悪くなる人もいるかも、ですね。
でもそれが大丈夫なら、本当に面白い作品です！
サイコパスな猟奇的殺人者、蒲生稔。
それに息子の異変に気付き、息子が犯人なんではないかと疑い始める雅子。
犯人の正体をつきとめて、捕まえようと無茶な行動をする元刑事の樋口。
後半のドキドキハラハラはページが進みました！ 引き込まれましたねー。 文章も読みやすいです。
さらにさらに、最後には読者を欺く大仕掛けが！！
つまりどんでん返しがあるんですね。 なので２度読み返したくなります。
読み返してみると、この欺く仕掛けが素晴らしい。 よく出来ている！！
最近どんでん返し系の小説読むことが多かったと思いますが、その中でも特に面白かったです。
先の展開が気になってぐいぐい読める。 最後のトリックだけじゃないぞ、っていう感じです。
かと言って、万人向けではないですが、叙述トリックが素晴らしい１冊でした。