「コーヒーが冷めないうちに」 川口俊和


『とある街の、とある喫茶店の、とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座ると、その席に座っている間だけ、望んだ通りの時間に移動ができるという

ただし、そこにはめんどくさい・・・・・非常にめんどくさいルールがあった

一、過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事ができない
ニ、過去に戻ってどんな努力をしても、現実は変わらない
三、過去に戻れる席には先客がいる 席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
四、過去に戻っても、席を立って移動することはできない
五、過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

めんどくさいルールはこれだけではない
それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

喫茶店の名は、フニクリフニクラ

あなたなら、これだけのルールを聞かされて それでも過去に戻りたいと思いますか?
この物語は、そんな不思議な喫茶店で怒った、心温まる四つの奇跡

第一話『恋人』 結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
第二話『夫婦』 記憶が消えていく男と看護師の話
第三話『姉妹』 家出した姉とよく食べる妹の話
第四話『親子』 この喫茶店で働く妊婦の話

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?』

―――本書、プロローグより



待ちましたー。 予約したのが昨年の6月なので、やっと手元にきましたね。
この小説で、出てくる場所はこの喫茶店フニクリフニクラだけなんですよ。
そこに出てくる客と家族でやっている3人の店員のお話。
過去に戻れる喫茶店で(といっても色々と条件がある)過去に戻りたい人がやってきます。

なかなか感動的なお話でレトロな喫茶店も雰囲気があっていいのですが、何か物足りない印象。
たぶん文章力の問題かな? メインの登場人物についても半分以上読んで、
やっと年齢とかどういう性格なのかとかがわかってきた。 
表現力は良くも悪くも普通、かな? もうちょい印象に残る表現や台詞がほしいところ。

と、思ってたら最後に元舞台の演出や脚本をされていて、本作も小説デビュー作と書いてあって
ものすごい納得してしまった。 なるほど!、と。
確かに舞台でやるとすごくいいものになる感じがします。 むしろ観てみたい。
このお話、すごく映像化しやすいと思うのでまた映画やドラマ化しそうな気もします。
本で読むよりも動いてるほうが面白い作品かもしれませんね^^