今回は本屋大賞2016 第7位 で直木賞候補にもなりました、本です
返却日までに返せそうにないと判断しまして、感想のみです
「戦場のコックたち」 深緑野分(ふかみどり のわき)
(2016年 本屋大賞 第7位)
思っていたよりも、ずっと本格的でリアルな戦争を題材にした物語でした!!
時は第二次世界大戦。
独裁者 ヒトラーが指揮するナチスがポーランドを侵攻したことから始まったとされる。
様々な国を巻き込み、戦争終結までは6年。 犠牲者は数千万人ともいわれる人類史上最大の戦争。
主人公はアメリカ合衆国の一般市民で、兵隊募集しているのを見て志願した。
理由は普通に働くよりも安定した給与が見込まれているのと、
自分から志願すると、ボーナスとして50ドルが支給される。 それだけの理由。
入隊して、訓練期間を終えた後、主人公は空挺師団に所属。
連合国軍として、「ノルマンディー上陸作戦」に参戦。
この作戦では船で多数上陸していますが、それに先行して、パラシュート部隊が一足先に、
ドイツ占領下のフランス北西部に夜間、パラシュートにて上陸しました。 主人公もその一人。
主人公の名前はティモシー(ティム)・コール。仲間からはキッドと呼ばれています。
彼の所属する役職は正式名称で言うと・・・・・
↓
合衆国陸軍 第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊 第3大隊G中隊隊員
管理部付きコック 5等特技兵
作者は海外で傭兵でもしていたんだろうか、と思うくらいに詳細に描かれています。
でも実際はそこそこお若い女性作家さんでこれまたビックリ!!
女の人でこの濃い内容を書けたとは・・・・・・。
臨場感が凄いです。 読んでいると、まるで戦地にいるようです。
目立つ表側の部分だけでなく裏側までわかります。
大きな戦争ともなると、手持ちの食料だけで足りるわけもなく、食料や物資も補給しないといけないわけですが、
その補給ルートや方法など。 調理の仕方など。 また隊員の中にも様々な係があって、
主人公のキッドはコックの仕事を優先しながら、一般兵としても戦う役職です。 専属のコックではありません。
他にも補給品を仕分ける補給係や、怪我人の治療をする衛生兵など様々です。
後半では、戦場の前線でドイツ軍と睨み合いをするシーンが。
地面を掘り、身を潜めることができる、タコツボといわれる穴を作り、銃撃戦が繰り広げられます。
大雪で、寒さで凍傷になり、食料の配給も滞り、瀕死からがらの状態で24時間雪の中で過ごします。
終盤では、ユダヤ人強制収容所のシーンが出てきます。
ここでは人が人とは思えない扱いを受け、たくさんの人が施設に閉じ込められ、亡くなり、
辺りは強烈な腐臭と排泄臭が立ち込めます。
ノンフィクション並みのリアルさですが、物語の途中でいくつか謎の事件が発生し、
それを冷静沈着なメガネの青年エドが解決していくのが小説らしいと言えるでしょうか。
物語を通して、最初のほうから終戦にかけて、キッドの周りも変わりました。
仲間が何人も亡くなりました。 また、罪をおかした兵士もいます。
別人のように変わり果てた仲間。 もう二度と会えなくなった戦友。
前線にいると、死と隣り合わせで、逃げ出したくなるのかと思いきや、
戦場を離れたくない! このまま戦っていたいと思う、極限状態の中で生きる兵士たちの精神状態。
平和にのほほんと生きる自国の家族からの手紙、写真を見て、
自分は再びこの中に入ることができるのだろうか、という思い。
命令とはいえ、人を殺してしまったという恐怖と悪夢にうなされる日々。
こちらの本はもしかしたら少し読みにくいかもしれません。 軍隊のお話なので。
登場人物も多数登場し、みな横文字なので、登場人物表を見ないとわからなくなることも。
↓
見た目よりもボリュームがあって、文字が小さく上下2段に文字が印刷されています。
文庫に直すと、700ページくらいになるでしょうか。
読むのに結構時間がかかりまして、本気で読んで1週間くらいかかりました。
映画の「戦場のピアニスト」をご存知でしょうか? 私の好きな映画です。
物凄く重い映画ですが、あれはポーランドがドイツによって侵攻されるお話です。
あの映画を思い出しました。 街は殺伐としていて、銃撃戦が繰り広げられている感じです。
あえて若い子に読んでもらいたいと思える一冊でもありました。
戦争の悲惨さ。 関係ない市民が殺され、原爆が落とされた事実をわかりやすく学べますし、
ほぼ実際の戦争通りに書かれているので、歴史の勉強にもなります。
私もノルマンディー上陸作戦は名称を聞いたことがあるくらいの知識しかありませんでしたが、
これを読んで、どういうものだったのか、かなりイメージが湧きました。
本のタイトルほど、「コック」が強めじゃありませんでした。 コックじゃなくてもこの物語は成り立つ。
想像してたのと少し違いましたが、なかなか面白い一冊でした!
返却日までに返せそうにないと判断しまして、感想のみです
「戦場のコックたち」 深緑野分(ふかみどり のわき)
(2016年 本屋大賞 第7位)
思っていたよりも、ずっと本格的でリアルな戦争を題材にした物語でした!!
時は第二次世界大戦。
独裁者 ヒトラーが指揮するナチスがポーランドを侵攻したことから始まったとされる。
様々な国を巻き込み、戦争終結までは6年。 犠牲者は数千万人ともいわれる人類史上最大の戦争。
主人公はアメリカ合衆国の一般市民で、兵隊募集しているのを見て志願した。
理由は普通に働くよりも安定した給与が見込まれているのと、
自分から志願すると、ボーナスとして50ドルが支給される。 それだけの理由。
入隊して、訓練期間を終えた後、主人公は空挺師団に所属。
連合国軍として、「ノルマンディー上陸作戦」に参戦。
この作戦では船で多数上陸していますが、それに先行して、パラシュート部隊が一足先に、
ドイツ占領下のフランス北西部に夜間、パラシュートにて上陸しました。 主人公もその一人。
主人公の名前はティモシー(ティム)・コール。仲間からはキッドと呼ばれています。
彼の所属する役職は正式名称で言うと・・・・・
↓
合衆国陸軍 第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊 第3大隊G中隊隊員
管理部付きコック 5等特技兵
作者は海外で傭兵でもしていたんだろうか、と思うくらいに詳細に描かれています。
でも実際はそこそこお若い女性作家さんでこれまたビックリ!!
女の人でこの濃い内容を書けたとは・・・・・・。
臨場感が凄いです。 読んでいると、まるで戦地にいるようです。
目立つ表側の部分だけでなく裏側までわかります。
大きな戦争ともなると、手持ちの食料だけで足りるわけもなく、食料や物資も補給しないといけないわけですが、
その補給ルートや方法など。 調理の仕方など。 また隊員の中にも様々な係があって、
主人公のキッドはコックの仕事を優先しながら、一般兵としても戦う役職です。 専属のコックではありません。
他にも補給品を仕分ける補給係や、怪我人の治療をする衛生兵など様々です。
後半では、戦場の前線でドイツ軍と睨み合いをするシーンが。
地面を掘り、身を潜めることができる、タコツボといわれる穴を作り、銃撃戦が繰り広げられます。
大雪で、寒さで凍傷になり、食料の配給も滞り、瀕死からがらの状態で24時間雪の中で過ごします。
終盤では、ユダヤ人強制収容所のシーンが出てきます。
ここでは人が人とは思えない扱いを受け、たくさんの人が施設に閉じ込められ、亡くなり、
辺りは強烈な腐臭と排泄臭が立ち込めます。
ノンフィクション並みのリアルさですが、物語の途中でいくつか謎の事件が発生し、
それを冷静沈着なメガネの青年エドが解決していくのが小説らしいと言えるでしょうか。
物語を通して、最初のほうから終戦にかけて、キッドの周りも変わりました。
仲間が何人も亡くなりました。 また、罪をおかした兵士もいます。
別人のように変わり果てた仲間。 もう二度と会えなくなった戦友。
前線にいると、死と隣り合わせで、逃げ出したくなるのかと思いきや、
戦場を離れたくない! このまま戦っていたいと思う、極限状態の中で生きる兵士たちの精神状態。
平和にのほほんと生きる自国の家族からの手紙、写真を見て、
自分は再びこの中に入ることができるのだろうか、という思い。
命令とはいえ、人を殺してしまったという恐怖と悪夢にうなされる日々。
こちらの本はもしかしたら少し読みにくいかもしれません。 軍隊のお話なので。
登場人物も多数登場し、みな横文字なので、登場人物表を見ないとわからなくなることも。
↓
見た目よりもボリュームがあって、文字が小さく上下2段に文字が印刷されています。
文庫に直すと、700ページくらいになるでしょうか。
読むのに結構時間がかかりまして、本気で読んで1週間くらいかかりました。
映画の「戦場のピアニスト」をご存知でしょうか? 私の好きな映画です。
物凄く重い映画ですが、あれはポーランドがドイツによって侵攻されるお話です。
あの映画を思い出しました。 街は殺伐としていて、銃撃戦が繰り広げられている感じです。
あえて若い子に読んでもらいたいと思える一冊でもありました。
戦争の悲惨さ。 関係ない市民が殺され、原爆が落とされた事実をわかりやすく学べますし、
ほぼ実際の戦争通りに書かれているので、歴史の勉強にもなります。
私もノルマンディー上陸作戦は名称を聞いたことがあるくらいの知識しかありませんでしたが、
これを読んで、どういうものだったのか、かなりイメージが湧きました。
本のタイトルほど、「コック」が強めじゃありませんでした。 コックじゃなくてもこの物語は成り立つ。
想像してたのと少し違いましたが、なかなか面白い一冊でした!