ホミン小説#53「Contact」 | 東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

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ユノとチャンミンがいる限り
みんなと一緒に「We are T!」

 

 

 

#53「Contact」

 

 

 

 

「同じようで、全く違う場所、、、」

 

ふたつのUSBに収められている画像は

いくつかのファイルに分かれて纏められていた。

一つずつ開いては、更に一枚ずつ丁寧に見比べる作業は、

思いの外大変である。

 

況してや、

自分のルーツが覆されるかもしれないという

疑惑を抱えながらなのだから、

余計な緊張をも強いられるだろう。

ユノは、瞬きの回数が極端に減る程、

食い入るように画面に集中していた。

 

ようやくチャンミンがバスルームから戻って来たのは、

20分程経った頃だ。

 

「へぇ、、、これがさっき言ってたUSBの画像?」

 

 

ユノはよほど集中していたらしく、

チャンミンが隣に座って

画面をのぞき込むまで気付かず、

「うわぁっ」と声を上げて小さく仰け反った。

 

「なにその驚きよう(笑)、自分が一緒に見てって言ったくせに」

 

「それはそうだけど、、、って、お前!びしょ濡れ!

 せっかく風呂であったまったってのに、」

 

チャンミンはスウェットパンツ一枚で

上半身は何も身につけておらず、

濡れたままの髪の毛からは

ポタポタと雫が滴り、身体を濡らしている。

 

「そのままじゃ風邪ひく。

 これ羽織って、ちょっと待ってろ」

 

そう言いながらユノは

ベッドの上に脱ぎ捨ててあったトレーナーを渡し、

慌ただしく部屋を出て行ってしまった。

 

「大丈夫だって。いつもこの格好で寝て、、る、、、

あぁ、行っちゃった、、聞いちゃいない(笑)」

 

そして、高速で戻って来たユノの片手には

ドライヤーがしっかりと握られていて

一瞬にしてコンセントに繋ぎ

チャンミンの髪の毛を乾かし始めた。

 

ヘアサロン以外で自分の髪を乾かしてもらうなんて

まずリアルではあり得ないから、

何となく気恥ずかしいというか、照れくさい。

チャンミンは目を閉じて俯いた。

とはいうものの、

大きな手で優しく髪を梳かれていると

とても心地よく、

何だか懐かしいような気分にもなった。

 

きっとそれは子供の頃、母親にそうして貰った

記憶だろうなと思っていたのだが、

ユノの一言により、それは疑わしいものへと変わった。

 

「相変わらず猫っ毛のくせっ毛だな(笑)」

 

「、、、え?」

 

「あ、あは(笑)、つい懐かしくなって、、、

 あぁそうだ、乾くまでの間にファイル見てて。

 全て自由に開いて構わないから」

 

「、、、う、うん?、、わかった」

 

はぐらかされたのは当然分かっていたが、

きっとその理由(わけ)も

すぐに明確になる様な気がして、

あえてスルーしたままパソコンに向かった。

 

複数あるフォルダーの中から、

チャンミンはまず「街並み」を選択した。

かつて自分が修行していたカフェの写真や

住んでいたアパートメントなどが写っているかも、

と思ったからだ。

 

「、、、んー、、、っと、あ!この石畳、懐かしい」

 

「、、、、」

 

「あ!このアパートメント、見覚えがある」

 

「この先に歩いていくと花壇があってさ、」

 

「、、、ん?、、、あれ?こんなのあったっけ?」

 

「よし、乾いた。、どうかしたか?」

 

用の済んだドライヤーをベッドに放って、

ユノも一緒に画面に目をやった。

チャンミンはある一枚の画像を見つめたまま、

訝しい顔つきで黙り込んでいる。

 

「なにか気になる写真でもあるのか?」

 

「んー、、、このさ、花壇があるところ、公園でしょ?

 ここ、花時計がなかったっけ?

 ほら、綺麗な宝石が文字盤にあしらわれてて、」

 

「お前、、、」

 

「ね、ユノも変だと思わない?

 知ってるでしょう?あの公園。

 ほら、カフェの近くの。

 ジョギングしてたよね?」

 

「、、、あのな、お前が言ってる花時計なんて、

 そんなもの、あの公園のどこにも無かった」

 

「いゃ、そんなはずないでしょ?

 カフェのすぐ近くだよ?

 僕は毎日見てたんだから間違えるわけない」

 

「、、、じゃぁ、こっちを見て」

 

ユノはもう一台のパソコンのファイルを開き、

チャンミンの目の前に差し出した。

 

「お前が言ってる公園はこっちじゃないのか?

 よく見て。花時計が写ってる」

 

「え、あ!そうそう!これだよ!

 、、、じゃぁ、さっきのはどこの?

 両方ともそっくりだけど、、、」

 

「最初に見た、花時計のない公園の方が

 お前が修行してたカフェのすぐ隣にあった公園だ。

 そしてこっちは、、、いつ、

 どこで撮影されたものなのか一切分からない。

 にも関わらず、

 確かに俺たちの記憶にあるらしい、、、不思議だよな

 

ユノは何だかホッとしたような気持ちになり、

ベッドにもたれかかって、宙に視線をやった。

人は何かを思い出そうとする時、

無意識に上の方を向いてしまうが、

今のユノも丁度そんな感じだ。

 

「間違いなく、知ってるんだよな、俺たち、、、

 しかも、同じ記憶を持ってる」

 

 

「、、、そんな、

 ちょっと待って。僕の思い違いかも、、、」

 

そう言いながら、腑に落ちない気分になってるだろ?」

 

「、、、」

 

「他の画像も見てみよう

 なにか確信が得られるかも」

 

「、、、なんだか気が進まない」

 

チャンミンはそう言って、

ユノの肩にもたれて目を瞑った。

 

「さっきまで楽しそうだったのに、

 急にどうした?」

 

「、、、別にどうもしない」

 

「怖いのか?」

 

「まさか。怖がる理由なんて無い」

 

「(笑)、不安になると意地っ張りになるのは

 図星だから、だろ。

 ほら、お前の利き手、かして」

 

「なに関係ない事言ってんの。やだ」

 

「いいから、貸せって」

 

ユノは半ば強引にチャンミンの右手を

自分の利き手である左手で掴んだ。

そして、「やっぱりな」と呟いた。

 

「さっきも言ったけど、俺、お前といると

 身体が火照るんだよ。

 まるで体の中心に炎がくすぶってる様にさ」

 

「、、、なにそれ(笑)、僕を煽ってるの?」

 

「(笑)、ま、それもあるけど、

 とにかく、利き手だってもはや痒いのを通り越して

 熱いんだよね。今にも火を噴きそう」

 

「羨ましいよ

 僕なんて冷え性だから、

 身体はもちろん、指先まで冷たいからね

 それこそ、氷のように」

 

そうは言ったけれど実は、

自分で「冷え性」という自覚何てないのだ。

寒いと感じた事も無いし、

これが当たり前だと思って何の違和感もなく

今まで過ごして来た。

ところが、

何かの拍子に誰かと手が触れた時、

決まって「冷たい!」と驚かれ、

反射的に手をひっこめられるから、

「自分の手は氷のように冷たいんだな」と、

無理やり自覚せざるを得なくなっただけの事だ。

 

「俺が炎でチャンミンが氷、、、か

 正反対だな(笑)、だけどほら

 こうして手を繋いだだけで

 あっという間に温度差が無くなってると思わない?」

 

「、、、まぁ、それは確かに感じる。

 昨夜眠る時だって、あなたに抱きしめられていると

 身体中が温まって、とても心地よかった」

 

 

それはチャンミンの本音だった。

得体の知れない黒い靄が差し迫ってきても、

ユノの腕に抱かれていると

その恐怖感はすぐに消えて行ったし、

何よりも体温が心地よかった。

 

「一緒に居るんだから、何も怖くなんかない。

 言ったろ?俺はずっとお前と一緒に居て、

 生涯お前を守るって」

 

「、、、うん、わかってる

 、、、え?

 あれ?僕いまどうして返事しちゃったんだろ、、、」

 

ぅあーーー!ごめん!

 

「いきなり叫ぶなんてなんだよ!びっくりした」

 

「昨夜、こういう事は急がず大事にしたいとか言いながら、

 やっぱ我慢できそうもない

 っていうか、これ、尋常じゃない欲求。

 繋がりたくて仕方ない。

 魂がお前を欲してる感じ」

 

「わかる、、、僕も今、すごく変なんだ

 あぁ、、、さっきよりも目を開けるのが怖い

 目を開けたらきっと、

 僕はあなたに、この身体を預けてしまう

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

ちょっとゴタゴタと色々ありましたが、

心も体もすっきり

 

再始動~~

 

書くよ~~

 

(`・ω・´)♡

 



※次回、もしかしたら

アメ限になるかもです~~~(´-∀-`)

こちらに来て下さる常連様達はきっと、

その理由が分かってらっしゃると思うし、

そのような行為は物語上必然だということや、

更にこの焦れったさに関しても

そこに至るまでの心理的なプロセスの重要性など

ご承知だと信じてマス(๑¯﹀¯๑)

 

 

 

 

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