短編・Snowy prince・3
計画実行にむけて、
僕の心は逸り、落ち着かない毎日を送っていた。
初めて城の外へ出られるだけではなく、
未知の世界である人間界へ出掛けるとなると、
何か面白い事が起こりそうで、胸が高鳴った。
「歴代の王はみんな、この城の中で一生を過ごしたというけれど、そんな自由のない生活なんてごめんだ。僕が歴史を変えてやる。」
王国に暮らす者は、成人すると人間界へ出掛ける事が出来る。
とはいっても、勝手に出入り出来るわけでは無く、
まずは王に膝間付き、
王国の存在を決して外では口にしない、
という誓いを立て、
然るべき手続をし、役場から許可を得なければ外界へは出られない。
誓いを受けるのは王である僕なのに、
僕自身は外へ出られないなんて、
理不尽に対して僕の不満は、溢れんばかりだった。
「あーーー!くそっ!親父の石頭ったら。何回言っても"だめだ!"の一点張り。僕がついていく、って言ってんのにさ。」
「そっか・・・。親父さん、僕の事だけじゃなくてミノの事も心配なんだよ。僕と一緒に居れば、ミノだって命の危険に晒されるんだからね。」
「けど、剣術には自信あるぜ?正直、僕たちに勝てる奴なんて居ないと思うけどな…」
「確かに。…幼いころから相当なトレーニング受けてたもんね。」
「ま、いいさ。反対されたって出る事には変わりないし、どっちにしろ今回は数日で帰るんだし。」
「え?、、、そう、なの?もっと長く、、、何か月か行くのかと思ってた。」
「ばーか。最初っからそんな長期間出られるわけないだろ。」
「でも、ミノは前に何度か出てるから慣れてるでしょう?」
「それでも、長くて一ヶ月。しかも、王国の植物の種を人間界に蒔くっていう仕事があった上での事だぜ?」
「ふぅ~、、、ん」
「あのさ、お前が思ってるよりもっと、外の世界は厳しいんだぞ?お前も鏡で世界中をみてるだろうけど、実際は全然違う。」
「でも、前にミノとキャンプしたことあるじゃない。」
「あれはあくまでも"城の敷地内"だろ。王国を一歩でた場所は、深い森の奥にある谷なんだ。きっとお前は、歩くのでさえもキツイと思う。」
「平気だってば。」
「いう事が聞けないなら行かないぞ。最初は3日間で戻る。いいな?ん?」
「・・・わかったよ。ミノがそう言うなら。」
ミンホに言い聞かされてひとまずそぅ返事をしたけれど、
内心、出端をくじかれたようでがっかりした。
「な~にションボリしてんだ(笑)、とりあえず様子見、って言ったろ?今回行って無事に帰ったら、その次からは滞在を延ばせば良い。」
「・・・ん、そうだね。」
そう応えたものの、
僕に「次の外出」なんてあるんだろうか、と
ぼんやりと考えていた。
━─━─━─━─━─
俺の名はチョン・ユンホ。
こう見えて「腕のいい医者」だ。
俺の治療を受ける為、
世界中から患者が押しかける程に。
少し前までの俺は世界でも有名な
大きな病院に勤務していたが、
「俺」を利用した金儲け主義の経営方法に納得がいかず、
仲間の医師たちに技術と知識を託し、
病院から去る事にした。
その後、医師不足で困っている国や地域に赴いて、
ボランティア活動に就き、
ある小さな村で、衰弱した一人の女性患者に出逢った。
身分を証明するものは何も持っておらず、
名前も年齢も不明だったが、見た目から
かなりの高齢者であることは間違いなく、
身寄りのない彼女はそのまま病院で過ごすことになった。
数日後、とうとう彼女が忌の極みを迎えた時、
小さな鍵を俺に差し出した。
「先生、、、私が天に召されたら、この鍵で、床下にある古い箱を開けてください…
それを見れば全てが分かります。どうか、どうか…私の想いを汲んでください…」
貧しい生活をしていたようだが、
最期まで凛として、どこか気品の漂う女性だったな、と、
荼毘に付される彼女を見送った。
その後俺は、彼女に言われた通り、
彼女の家の床下から古びた箱をみつけ、
錆びついた鍵を挿しこんで蓋を開けた。
入っていたのは、分厚い本、
そして雪の結晶のジュエリー・・・
「これは、、、」
つづく
こんにちは(*^-^*)
第3話、少し長くなってすみません。
キリのいいとこまで書きたくて・・・。
ゆうべ更新したかったのですが、
なにしろ新学期前夜。
なんだかバタバタと落ち着かない一日で、
お話しも途中までしか書けずじまい・・・
そして、冬休み中は明け方まで起きてゴソゴソしてたのですが、
新学期初日となると寝坊なんて絶対出来ないから、
「早く寝なければ!」って事で、1時には寝ました。
だってあたし実は、、、
2学期の終業式の日に
寝坊したんです。
起きたのは8時前だった、、、。
子供たちよ。
こんな母でスマン←反省してない。( ̄∀ ̄)
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