小説『羊と鋼の森』の感想にいただいたコメントを読んで映画も観たくなり、アマプラにあったので、すぐに観ることができました。
まず一番に言いたいのは、エンディングテーマ「The Dream of the Lambs」についてです( 〃▽〃)
曲が始まってすぐに、これはもしかしたら!と思いました。
というのは、久石譲さん作曲・編曲、辻井伸行さん演奏の「風のとおり道」を昨晩聴いて、涙したばかりだったからです。
画面に
久石譲作曲・編曲
辻井伸行演奏
と表示された瞬間、胸がいっぱいになりました。
エンディングで興奮し過ぎて、物語の余韻が少し希薄になってしまいましたが、ピアノの音色や心象風景が静謐な森の映像で表現されていて、とても美しい映画でした。
感動的な山場は、原作にはない部分が多かったように思います。これは長い小説を映画の枠中でわかりやすく伝えようとしたら、やむを得ないことだと思います。
本作に限らず、原作のある作品の映画化は、どうしても饒舌に感じます。小説は、読者が行間を読み、語られていない部分に想いを馳せます。映画は、優秀な監督、演技の上手い役者によって、感情を引きづられてしまう気がします。評判の良い映画ほどこの傾向が強いように思います。
この映画の一番好きなシーンは、冒頭の三浦友和さんが演じる調律師が、静まりかえった体育館のピアノで、調律のため「ラ」の音を響かせ、山﨑賢人さんが演じる主人公の少年が足を止める場面です。会話もなく、動きも少ない静かなシーンなのに、長い時間を使って丁寧に描かれていて、美しいと感じました。