柚月裕子 著『月下のサクラ』を読みました。
杉咲花さん主演で映画化もされた『朽ちないサクラ』の続編です。前作は未読です。
念願かない警察広報職員から刑事になった森口泉。記憶力や語学力を買われ、希望していた機動分析係へ配属された。自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導く。
だが配属当日、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚だった。署が混乱する中、さらに殺人事件も発生。組織の闇に泉の正義が揺れる。
内容に触れます。未読の方はご注意ください。
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主人公が見たものを映像や写真のように記憶し、脳内で再現していく描写や、メンバーで分担して防犯カメラの分析により容疑者を探っていく過程は面白かったのですが、個性的なメンバーを終盤活かしきれていないのがもったいなく感じます。
暴力的なアクションは必要ないと思います。頭脳で解明していくスタイルを貫いた方が面白かったのではないかと思いました。
意味のない恋愛話を入れていないのは、好ポイントです。(映画化されると、たぶん入ります。)
そもそもの「どうやって」がスッキリしないまま終わってしまいました。
同じ作家の小説ですが、『盤上の向日葵』は秀逸だと思います。