今回の「べらぼう」は、全く予想外の展開でした!


冒頭、丁寧に置かれた眼鏡が映されて、ああ助からなかったのかと思ったら、寝ているおていさんにカメラが移り、一命を取り留めたことがわかりました。

演出、上手すぎ!

いつも元気な蔦重もさすがにやつれて、急速に年を取った感じです。


吉原の女将さん達の心遣いで、ようやく食べることができるようになったおていさんが、蔦重に歌麿の「恋心」の絵を出版するよう提案していました。歌麿の最高傑作とも言われる『歌撰恋之部』です。

歌麿の気持ちを察していたように思えるおていさんが、恋文とも言えるこの絵をなぜ世に出すように勧めたのでしょうか? 心情を慮るのが難しく感じました。


吉原では、歌麿に描いてもらうため、版元による接待が繰り広げられていました。倹約令により花魁たちの衣装がすっかり地味になってしまっていることと、歌麿の空虚な眼差しが相まって、騒ぎが空しく見えました。

鶴屋が差し出した『歌撰恋之部』を

「こんなものは紙クズですよ」

と破り捨てる歌麿。伝わらなかった恋心を引き裂いているように見えました。


北斎、馬琴、一九が登場して、残すは写楽のみとなりました。

一九が持って来たお多福が描かれた凧は「相良凧」で、田沼意次が平賀源内を密かに逃がし、自藩の相良に匿ったとされる伝説をここに入れて来ました!この説はスルーしたものだとばかり思っていたので、うわあ、ここで入れてくるかという感じでした。


懐かしい顔が次々出て来て、ドラマが終わりに向かっていると感じて、しみじみしていたら、驚きのラストが!


「蔦屋重三郎、我らと共に仇を討たぬか?」


手袋はずっと意識にあったのですが、源内の1枚の草稿のことはすっかり忘れていました。

この草稿を読んで、すべてを悟り、完成させたのは、おそらく戯作好きの定信でしょう。

春町の悲劇をもたらした定信への遺恨を忘れ、共通の巨大な敵に立ち向かうのでしょうか。


タララ~♪

とあのBGMが、脳内に流れました。