8日、俳優の仲代達矢さんが92歳で逝去されました。
訃報を知り、『影武者』や『乱』が思い浮かんだのですが、記事では代表作として『人間の條件』が一番にあげられていました。
検索してみたら、『人間の條件』は、1959年から1961年にかけて公開された五味川純平原作の6部作を3本の映画にしたものでした。第二次世界大戦末期の満州を舞台とした総上映時間9時間31分の超大作でした。
少し読んだだけでも、ずし~んと来るような重厚な作品で、代表作としてあげられる理由がよくわかりました。
仲代さん主演映画のような超大作は、最近制作されなくなりましたね。
仲代達矢さん主宰の「無名塾」の公演は、『ルパン』を観たことがあります。
仲代さんが、アルセーヌ・ルパンと作者のモーリス・ルブランの二役を演じていました。
純文学を志しながら認められず、大衆小説『怪盗ルパン』を書いたルブランの苦悩が描かれ、ルブランの妹の恋人であった『青い鳥』の作者メーテルリンクも登場していました。
内容は暗く重たかったので、あまりよく覚えていないのですが、仲代達矢さんの存在感の凄さは、客席でしっかり受け取りました。一度だけでしたが、昭和の名優の演技を生で観ることができて、本当に良かったです。
慎んでお悔やみ申し上げます。