①からの続きです。
「カワイ」の調律師は、小宮山淳さんでした。
カワイのピアノの低音の利いたまろやかな音色はカワイトーンと呼ばれ、第17回コンクールでも支持を集めていました。
日本人らしい発想と感じたのが、カワイが毎回会場の近くにピアニストたちがリラックスできる休憩室を用意していることでした。バナナやお菓子を用意したくつろぎスペースをつくることで、精神的な支えにもなり、ピアニストの声を聞くこともできるそうです。
最初にカワイを選択したピアニストは11人で、3次にも2人残りましたが、ファイナリストを出すことはできませんでした。
ピアノはラウンドごとに選択することが可能なので、2次の時にカワイからスタインウェイに変更したピアニストが1人いました。演目により合うピアノを弾きたいという気持ちは当然のことと理解できますが、メーカー側の自分達のピアノを選んでもらいたい、優勝者を出したいという熱い視点から観ていたので、切なく感じました。
③に続きます。