19日(日)の午前9時30分ごろ、パリのルーブル美術館に4人組の窃盗団が作業者に扮してバルコニーから侵入し、宝飾品を奪って逃走したそうです。開館中のわずか7分間の犯行だったとのことです。

ニュースを聞き、大変驚きました。


ルーブル美術館には、一度だけ行ったことがあるのですが、とにかくもう広く、展示品が膨大でした。全部観ようとしたら、1作品に5秒ずつかけたとして最低でも10日間はかかると聞きました。「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などを観るのが精一杯で、宝飾品の展示室には行くことすらできませんでした。


被害金額は8,800万ユーロ(約155億円)で、マリーアメリー王妃とオルタンス王妃のコレクションに含まれるティアラとサファイアのネックレス、イヤリング、マリールイーズ皇后の所有していたエメラルドのネックレスとイヤリング、聖遺物を収めたブローチ、ウジェニー皇后のティアラと大型のコサージュ飾りが盗まれたそうです。


ナポレオン3世の皇后ウジェニーのティアラ
(212個の真珠、1998個のダイヤモンド、992個のダイヤモンドがあしらわれている)

なお、窃盗団は逃走中に、1354個のダイヤと56個のエメラルドがあしらわれたウジェニー皇后の王冠を落として行ったそうです。


コレクターからの依頼による犯行であれば、宝飾品は良好な状態で見つかる可能性がある一方で、宝飾品の素材を狙っているものならば、ばらして売られてしまい、歴史的宝飾品が失われてしまう恐れがあるそうです。



ルーブル美術館からの窃盗では、1911年に起きた「モナ・リザ盗難事件」が有名です。

犯人はイタリア人職人のビンセンツォ・ペルージャで、2年間自宅アパートに隠し持った後、フィレンツェの画廊に持ち込み、逮捕されました。

犯行動機は愛国心によるものとされて、寛大な判決が下りました。今なおイタリアでは「奪還」として英雄視する声もあるそうです。

1914年に「モナ・リザ」は無事ルーブル美術館に戻りました。


おかげで、私も「モナ・リザ」を観ることができました。

次回、ルーブルを訪れるまでには宝飾品が無事返還されていますように!