数日前、ロンドンの王立裁判所の外壁に描かれたバンクシーの新作が、すぐに消されたというニュースを読みました。
それで風刺画について考えていて、ふと1枚の絵画を思い出しました。
ハンス・ホルバインの「大使たち」
(1533年 ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵)
美術の授業で、
「手前に斜めに描かれている長い楕円形の物は、何だと思いますか?」
と質問をされ、最初は全くわからなかったのですが、正体を知り驚きました。
その時、どのように解説されたかは覚えていないのですが、豪華に着飾っていても、人間の中身は皆同じだという痛烈な皮肉だと受け取りました。
この絵は、ヘンリー8世とアン・ブーリンの結婚をめぐるローマ・カトリックからの離脱を止めるため、フランスから来た大使たちを描いたものだそうです。
絵の中には多くの道具が描かれているのですが、書き込みからそれぞれの年齢が29歳と25歳であったことなどもわかります。
すべてのものに意味が込められていて、大変奥深い絵だと思いました。
