「 恥の多い生涯を送って来ました。」

で有名な太宰治の『人間失格』ですが、実は未読です。

というのも、中学生の時『斜陽』を読んで、全く面白く感じられなかったので、引き続き『人間失格』を読む気を失ったからです。


先日、今でも『人間失格』が中高生に根強い人気があるという記事を読んで、驚きました。

興味を引かれて、いろいろな記事を読んでみましたが、それは違うのではないかと思ったのは、「中学生が読むのは早い。『走れメロス』を読めばいい」

という意見がいくつかあったことでした。

この人達は、読書好きな子供ではなかったか、子供だった頃の気持ちを忘れてしまったのかと思いました。


私は、古今東西の名作文学の大多数を中学生の時に読みました。

面白くて夢中になったものもあれば、よくわからないまま読んだものもあります。

一番夢中になったのが、『風と共に去りぬ』で、一番苦労したのが、トルストイの『戦争と平和』だったことを覚えています。

ただ、すべてを最後まで投げ出さず読み通しました。

どんな本でも最後まで読み通すというこの頃持っていた力を、失ってしまったことを残念に思います。


理解については、その時の理解でいいと思っています。

大人になってからでないとわからない部分もあれば、子供だからこそ感じられる部分もあります。

その本が面白いかどうかは、本人でないとわからないと思います。


改めて『人間失格』を読みたいかと言うと、好みがはっきりしてしまっている今となっては読みたくありません。