ドラマの解説で、天明3年の浅間山大噴火の噴煙が成層圏まで達していたと知り、驚きました。

直接的な被害の大きさについては触れられませんでしたが、言語に絶する大災害でした。

間接的な被害はさらに悲惨なものとなりました。

浅間山大噴火と同年に、アイスランドのラキ火山でも大噴火が起きたため、双方の大量の火山灰が北半球に降り注ぎ、世界的な異常低温と凶作を引き起こしたと考えられているそうです。

日本では、すでに始まっていた「天明の大飢饉」の進行に拍車をかけ、田沼意次の失脚へとつながりました。

ヨーロッパ各地でも、冷夏と厳寒の繰り返しで凶作が続いたことにより、フランス革命が起きたそうです。


ドラマでは、鶴屋が「灰降って地固まる」と言っていましたが、蔦重のアイデアにより、共に灰の除去作業を楽しく素早くしたことにより、長く続いていた対立が終わりました。


蔦重とていの婚礼に、鶴屋が「富士山に蔦の葉」の耕書堂の印が入った立派な暖簾を持参し、蔦重の「すべてを遊びに変える」という吉原の気風を誉め、

「日本橋通油町は、蔦屋さんを快くお迎え申し上げる所存でございます」 

という和解の言葉を述べて、蔦重と親父さま達を感激させていました。


花嫁衣裳のていは、初めて眼鏡を外し、凛とした美しさを見せていました。

ていが、蔦重と灰を掃除しながら話した陶朱公の話は、浅草の正法寺にある蔦重の墓碑に刻まれた「喜多川柯理墓碣銘」からだそうです。

ドラマが始まってから、


為人志気英邁 不修細節 接人以信

(その人となりは、志、人格、才知が殊に優れ、小さな事を気にもかけず、人には信頼をもって接した)


という蔦重の性格を表した部分は、よく目にしていたのですが、その後に


柯理恢廓産業 一倣陶朱之殖
(産業を興して陶朱公に倣って大きくした)


という文が刻まれていました!


ていが、陶朱公になぞらえて蔦重を誉めたのに応え、

「陶朱公の女房になりませんか?」

とプロポーズして、ていの心をしっかり掴みましたね!

早速「店(みせ)でなく、店(たな)」「俺でなく私」と、しっかり日本橋の主人教育もしてもらっていました。


今回一番驚いたのは、次郎兵衛義兄さんが、知らないうちに結婚していたことです。

しかも、子供も3人!

蔦重とていの展開の早さよりびっくりしました。

ふわふわした跡取り息子だから、親父さまと女将さんがしっかり者の奥さんを選んで、早めにもらったんでしょうね。


意知と誰袖もいつの間にか、恋愛感情が生まれていました。 

こちらは、狂歌

袖に寄する恋

西行は花の下にて死なんとか 

雲助袖の下にて死にたし


西行の和歌

願わくは花の下にて春死なん その如月の望月のころ

が本歌で、そのまま読めば「雲助は誰袖のもとで死にたい」という恋の歌だけど、「袖の下」は賄賂のことだから、この先の暗示でもありますね!