昨日の「先人たちの底力 知恵泉」は、「林忠正」でした。

今年、大河で「べらぼう」が始まって、浮世絵関連の記事を目にすることが増えて、興味を持った人物です。

「黒い美術商」「国賊」と呼ばれた林忠正は、近年評価が一変し、「日本美術界の救世主」とたたえられています。


19世紀にパリで活躍した美術商・林忠正は、世界に日本美術を売り込み、ジャポニスムを牽引しました。民間人初の万博事務官長に就任し、1900年パリ万博を成功に導くなど、美術界に多大な功績を残しました。
だけど、その死後、日本国内からは「国賊」と呼ばれることになりました。
「知恵泉」では、その謎に漫画家のヤマザキマリさんが迫りました。

ヨーロッパで人気となった浮世絵が、粗悪品や贋作により価値が下がることを防ぐため、林忠正が売った作品には判子が押されていて、一流品の証となったそうです。


以前から、明治維新のどさくさに紛れて、日本の貴重な美術が海外に流出してしまったことは知っていました。
だけど、海外に渡ったことにより、その価値が評価されてジャポニスムが生まれ、モネやルノワールなどの絵画にも取り入れられ、浮世絵などの貴重な作品が海外の美術館で大事に管理されて残されたのだと思います。

ヤマザキマリさんは、功績が嫉妬を招いたのではないかと推察されていました。
「国賊」と呼ばれたことにより、親族は親戚であることを口にできなかったそうです。
日本美術を守った林忠正の評価が見直され、本当に良かったと思います。

ところで、番組では「ジャポニスム」と表記されていました。

よく聞く「ジャポニズム」は英語表記で、「ジャポニスム」はフランス語表記なので、このたびはパリが舞台なので、こちらの表記を使ったのですね。