先月、三重県の桑名市博物館で新春企画展「松平定信と源氏物語」が開催されていたそうです。
松平定信は、徳川御三卿の田安徳川家から白河松平家の養子となり、老中として寛政の改革を行いました。
出版統制令により洒落本や黄表紙などの取り締まりをしたことから、気難しく文化への理解がない人物だと思っていました。
ところが、『源氏物語』を好み、7回も全文の書写をしたそうです!
桑名博物館所蔵の豆本の写真を見ると、塗りの箱に納められていて、お姫様のお嫁入り道具のようで、とても優美でした。
16歳の時には
心あてに見し夕顔の花ちりて たづねぞわぶるたそがれの宿
という『源氏物語』の「夕顔」の一場面を詠み、「たそがれの少将」と呼ばれていたそうです。
ちょうど今「べらぼう」で、寺田心くんが演じている田安賢丸の時代ですね!聡明だが潔癖で融通が利かない性格のように見える賢丸(定信)に、そのような風流な一面があったとは意外でした。
「べらぼう」でも、定信が『源氏物語』を書写する場面が描かれるのでしょうか?