今回のメインストーリーは、「雛形若菜初模様」の制作でした。


「雛形若菜初模様」は、礒田湖龍斎の100枚以上もの錦絵シリーズで、安永4年(1775年)から天明元年(1781年)にかけて出版されました。

吉原の花魁を描いたもので、「若菜の初模様」は正月に初めて着る着物の柄を、「雛形」は見本帳を意味し、流行の着物や髪形などを描いたファッションブックとしての役割を持っていたそうです。

ドラマ内で錦絵が再現されていましたが、長い年数を経てくすんだ色合いになっているものしか見たことがなかったので、こんなにも色鮮やかなものであったとは想像できていませんでした。


錦絵の出版企画を蔦重は引き受けますが、制作費を出したくない忘八達が、女郎達に入銀させようとしたため、

「女郎は打出の小槌ではありんせん」

と、蔦重は女郎達に責められていました。

稼いでいるはずの花魁達が、なぜ5両のお金を出せないのか不思議がる唐丸に答える形で、女郎の借金事情を視聴者にわかりやすく説明していました。


平賀源内に恋人の菊之丞の舞台の装いから「路考髷」や「路考茶」などが流行したという話を聞いた蔦重が、呉服屋をスポンサーにすることを思いつくという流れも、「チコちゃんに叱られる」の「たぶんこうだったんじゃないか劇場」みたいで面白かったです。


水浸しになって滲んでしまった下絵を模写する唐丸の才能を見た蔦重が

「俺が当代一の絵師にしてやる」

と言っていました。

唐丸は、北斎になるかと予想していたのですが、歌麿(生年不詳説?)のような気がしてきました。


平賀源内に名付けてもらった「耕書堂」は、「書をもって世を耕し、この日の本をもっともっと豊かな国にする」という意味だそうです。(史実?オリジナル?)


共同制作の版元の西村屋与八は、黒幕である地本問屋の鱗形屋と組んで、蔦重を利用だけして排除する悪人にされてしまっていました!


江戸城の方でも、田沼意次が賢丸の排斥をして、遺恨の種を作っていました。

平賀源内の大胆な偽造文書作成にもドキドキ!

「お主も悪よのう」

という言葉が聞こえきそうなブラックぶりでした。


杉田玄白の『解體新書』もパラパラとだけど、登場しました。

45分が内容盛り沢山で、いろいろ見ることができて楽しいです!