「趣味どきっ!」アンコール放送の「源氏物語の女君たち」6回目は、「明石の君」でした。


受講生の一人が、紫の上が好きなので、悲しませた明石の君は好きではないというような発言をしていました。

私も最初に『源氏物語』を読んだのはまだ高校生の時だったので、明石の君にはあまり良い印象は持ちませんでした。

一番大きな理由としては、明石の入道の存在が生々しくて不快だったということがあります。


ただ改めて考えると、明石の入道はとても不思議な人物です。

住吉明神の夢のお告げを信じて、明石の君と光源氏を結びつけ、産まれた姫君が東宮に入内して皇子が誕生した後は、深山に入って行方不明になります。

願ったのは一族の繁栄のみで、自らの栄耀栄華は望まなかったということなのでしょうか。


そして、明石の君もまたずっと自分の身分が低いことに引け目を感じ続けて、産んだ姫君も紫の上のもとで育てられることになります。

裳儀の儀の参列もできず、明石の姫君の入内に付き添うことにより、ようやく再会が叶います。

対外的な母としての地位は紫の上でしたが、中宮や皇子達の世話をすることはできたようです。


明石の君は幸せだったのでしょうか?