100分de名著「ウェイリー版・源氏物語」の第3回「もののあはれ」を観ました。


「もののあはれ」を主題とするといわれる「源氏物語」には、言語化不可能な「情動」に突き動かされ翻弄される人々が次々と登場する。では「もののあはれ」とは一体何か?


『枕草子』が「をかし」の文学と言われているのに対し、『源氏物語』は「あはれ」の文学と言われていて、54帖にすべてに「あはれ」の文字が約1000回も登場するそうです。


それでは、ウェイリーによって、「あはれ」はどのように英訳されたのでしょうか?


このたびは、英文も文字で紹介されていました。

ウェイリーは、「あはれ=◯◯」という訳し方ではなく、物語のその場に応じた単語を適時使って表現していました。

意味の異なるたくさんの単語を使い分けていることに驚かされますが、逆に言えば、日本語の「あはれ」はその一語だけで、様々な感情が表現できたり、読者に異なる意味を適宜理解させることができていて、ものすごい力を持った言葉だと感じました。


本居宣長の「もののあはれ」論も紹介されていて、とても興味深い内容でした。