「趣味どきっ!」で、「源氏物語の女君たち」のアンコール放送をしていたので、観ました。
もう5回目で、昨夜は「朧月夜の君・朝顔の君」でした。
道ならぬ恋に溺れてしまう朧月夜の君。東宮の妃になることが決まっていたのに光源氏の求愛を受けてしまい、さらにその関係を続けてしまう。そして朝顔の君。光源氏から何度求愛されても、頑として受け付けず、生涯誰とも結婚しなかった。対照的な二人の女君の生きざま、幸せなのははたしてどちら?
この紹介文だけだと、特に目新しいテーマではないのですが、光源氏の須磨隠遁について全く記憶にないことがありました!!!
私の認識では
光源氏は、朧月夜との密会を右大臣に知られてしまい、弘徽殿大后の怒りを買いました。
官位剥奪されてしまい、このままでは流刑となる恐れもあるため、自ら須磨に退去して謹慎生活を送ることになりました。
という内容のみでした。
番組内の講義によると、朧月夜との件が表沙汰になると、右大臣側にも不利益になるため、実際に光源氏への攻撃に使ったのは、賀茂神社の斎院である朝顔の君のもとに恋の歌を送り続けていたことだったそうです。
原文を確認してみたら、「賢木」で右大臣が弘徽殿大后に、光源氏と朧月夜の密会を報告している時に
斎院をもなほ聞こえ犯しつつ、忍びに御文通はしなどして、けしきあることなど、人の語りはべりしをも、世のためのみにもあらず、我がためもよかるまじきことなれば
と非難していました。
恋愛禁止である斎院にいまだに言い寄って、文を通わしていることが人の話題になっているのは、帝の世のためにも、本人のためにも良くない
ということですね。
まろは、みな人に許されたれば
と、調子に乗っていた光源氏が、桐壺院の崩御により後ろだてを失ったことが、失脚の直接原因であるので、結局は朧月夜も朝顔も理由付けの一つに過ぎないように思います。