「光る君へ」で、まひろが宣孝に灰を浴びせかけたのは『源氏物語』のオマージュでオリジナルストーリーですが、痴話喧嘩については実際にあったものです。


紫式部は、宣孝が恋文を周囲に見せびらかして自慢していたことに腹を立て、手紙を全部取り返したそうです。

この後、二人は和歌のやり取りを繰り返し、最後は宣孝が降参して、よりを戻すというエピソードです。

この時の和歌は、『紫式部集』に収められています。


紫式部の歌については、こそっと小さい声で言わせていただくと

あまり印象に残らない

のです。


『源氏物語』で、それぞれの登場人物に合わせたたくさんの歌を作り分けている点は、もちろん素晴らしい才能だと思います。

だけど、歌のやり取りの時の物語の情景は印象深いのに、歌そのものの記憶が残らないんですよね。

私が好きな朧月夜の登場シーンの歌は、実は大江千里作ですしね。


紫式部の歌って、いかがですか?