今回は、『枕草子』の102段の藤原公任とのエピソードが登場しました。


公任が

少し春あるここちこそすれ

と下の句を書いた懐紙を清少納言に届け、上の句を求めたというものです。


ドラマで一条天皇が「白楽天の南秦雪か?」とすぐ反応していたとおり、第四句の

二月山寒少有春

を踏まえています。


清少納言は、第三句の

三時雲冷多飛雪

を踏まえたうえで、

空寒み花にまがへて散る雪に

と上の句を作って返しています。


単純に漢詩のままの上の句を作るのではなく、「少し春あるここち」から花を導き出しています。

漢詩と和歌のどちらにも優れた二人だからこそできた和歌なので、清少納言はかなり嬉しかったみたいです。



一方、まひろが読んでいたのは、『新楽府』の「採詩官」だったそうです。

これは見落としていたので、気づいた方達、すごいです!

君眼不見門前事

は、政をおろそかにする一条天皇への皮肉となっています。


ただし、リアル一条天皇は賢帝だったそうなので、寵姫に溺れて政を疎かにした『長恨歌』の玄宗帝になぞらえているのは気の毒過ぎると思いました。