NHKの「完全なる問題作 善と悪の深遠なる世界」を観ました。


世界30ヵ国語に翻訳され発行部数8000万部以上を誇る青春小説の金字塔 J.D.サリンジャー著『キャッチャー・イン・ザ・ライ』のドキュメンタリーでした。


最近は、元本のままのタイトル「The Catcher in the Rye」が使われることが増えて来ましたが、私が読んだ小説のタイトルは、『ライ麦畑でつかまえて』でした。

中学生か高校生の頃で、タイトルがお洒落だと思ったのと、有名な小説だから読んでおこうという軽い気持ちで読み始めたのですが、これがまあ全くわからなくて困りました。

今だったら投げ出しているところですが、若い読書力でなんとか読み終えることができました。

残念ながら、よくわからないという感想しか持てずに今に至っていました。


村上春樹さんの新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が話題になった時も、特に読み直したいという気持ちも起きませんでした。


「暴力的な描写や不道徳な表現から全米で禁書処分が多発」したと初めて知り、そんな危険視されるような小説だったのかと驚きました。


ジョン・レノンを殺害した犯人が、警察が来るまでその場で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読み続けていたという話は、以前聞いたことがあったのを思い出しました。


私が全く共感することもなく読んだ小説が、社会的に大きな問題作として扱われていたことを知り、興味深く感じました。

このドキュメンタリーで、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』がどういう小説であるのかをようやく少しだけ理解できたような気がします。