「光る君へ」で、毎回楽しみにしていることの一つに藤原実資の登場シーンがあります。
『小右記』の作者であり、有職故実に精通した人物として知られていて「文」の印象しかなかったので、検非違使別当を務めていたとは全く知りませんでした。
実資は祖父の実頼の養子となり、藤原北家嫡流である小野宮流を相続しています。
『小右記』には、道長への批判がかなり書かれいて、傍流である九条流に摂関家の地位が移った不本意さから、又従兄弟である道長への対抗心がかなり強かったのではないかと言われています。
また、筋の通らないことを許せない融通の利かない性格でもあったようです。
道長にとっては、煙たい存在ではあったとは思いますが、実資の学識への評価は高く、有能な官僚として重宝されていたそうです。
事あるたびに批判を書き残していることから、狷介な印象の人物をイメージしていたので、「光る君へ」のキャストが正反対の外見であったことが意外でした。
不満や愚痴を前妻に面倒がられて、「日記にお書きになれば」といなされさり、後妻である婉子女王とじゃれていたり、まさか実資がドラマで和みシーンを担当するとは思っていなかったので驚きです。
実資は、道長の和歌「この世をば」を『小右記』に書き残したことでも知られているので、この場面がどのように描かれるのか楽しみです。