第6回での、直秀の「おかしきことこそめでたかれ」のセリフに引っ掛かって違和感を覚えました。
というのも、この回が清少納言の登場回だったからです。
『源氏物語』が「あはれ」であるのに対し、『枕草子』は「をかし」の文学と言われます。
ここでの「をかし」は、美意識のもとでの「趣がある」という意味で使われます。
そのため「おかしきものこそめでたかれ」と聞くと、ついつい「趣があるものこそ素晴らしい」と脳内に響いてしまうわけです。
ところが、直秀の使う「おかし」は笑いであり、滑稽なものという意味だったようです。
その意味で使うこともあるのでしょうが、清少納言の強い印象がある同じ回で、あえて古語の「をかし」を異なる意味で使うのは混乱します。
第7回のタイトルもまた「おかしきことこそ」のようですが、この違和感は払拭されるのでしょうか。