今回は、清少納言が登場しました。

清少納言の『枕草子』は、リズムが心地好く、とても読みやすく感じます。

自慢話が多いとも言われますが、有名な

「少納言よ。香炉峰の雪いかならむ。」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。

に見られるように、白居易の漢詩を踏まえた定子の問いかけに鮮やかに応えてみせることに喜びを感じたり、機知と教養あふれる文化的な場にいられることを心から楽しんでいたのではないかと思います。


紫式部とは宮中にいた時期が異なるので、実際に接する機会はなかったと思いますが、平安を代表する二人の才女がもし出会っていたらというシチュエーションは、古典ファンとしては興味を掻き立てられます。


「光る君へ」では、道隆主催の漢詩の会にそれぞれの父に伴われて参加し、まひろ(紫式部)とききょう(清少納言)は出会います。

漢詩のお題は「酒」で、道長たち貴公子4人が七言絶句を作ります。公任以外の漢詩は白居易のもののようです。


『源氏物語』において「白氏文集」から数多く引用されていることは有名なのですが、今回のオマージュはおそらく「須磨」ではないかと考えています。


まひろが公任の詩を「白楽天のよう」と評価したことに対し、真っ向からききょうが「元微之のような闊達さ」と反論します。

知識を隠そうとしない清少納言らしさがよく現れています。

「鼻っ柱を折ってやりたくなる」という斉信の感想に、『枕草子』の「草の庵を誰かたずねむ」のエピソードを思い出し、とても面白く感じました。


倫子姫の勉強会の今回のテーマは『蜻蛉日記』で、姫達は「寂しい」と語りますが、まひろは「身分の高い男性との恋の自慢話」と感想を述べます。

私も姫達と同様未読なので、まひろの視点は新鮮でした。


最後の道長の和歌は、『伊勢物語』の本歌取りだそうですが、こちらも未読なので、ピンと来なくて残念でした。


遊び心いっぱいのドラマなので、毎回とても刺激を受けています。