笹生那実 著『薔薇はシュラバで生まれる』を読みました。

美内すずえさん、くらもちふさこさん、樹村みのりさん、三原順さん、山岸涼子さんなど、70年代の少女漫画黄金期を築いた漫画家達が、アシスタントの視点で描かれています。

漫画が、一人の作家だけでなくたくさんのアシスタントの手伝いで描かれることや、シュラバやカンヅメなどの言葉は知っていました。
だけど、こんなにたくさんの漫画家の手伝いをしていたアシスタントがいるとは知りませんでした。あちこちのコミックに自分が描いた絵が残っているわけで、面白いと感じました。

睡眠も食事もほとんど取ることができずに何日も描き続けるのは、まさに「修羅場」ですが、そこにいた人達がみんな若くて熱くて、面白がる力があったからこそできたことなのですね。

興味深いエピソードがたくさんありますが、山岸涼子さんの『天人唐草』が描かれた背景を読んで、当時の衝撃を伺い知りました。
昭和の漫画家達が一つ一つ道を切り拓いて行ったからこそ、現在の自由な漫画表現があるのだと感じました。