『いのち短し、踊れよ男子』 安倍雄太郎 著

著者は日本舞踊の名取だそうです。
本書に登場するのは、ご自分で踊ったことがある演目ばかりだということで、練習の過程がとても面白く感じました。
読み終わってから、YouTubeで演目をいくつか観て、「腰で踊れ」ということが少しだけ理解できたような気がします。
バレエとは正反対のようであっても、体幹が大事なのはどの踊りにおいても同じだと感じました。

違和感を覚えたのは、メインキャラクターの一人である兄弟子の言葉遣いでした。
個性を出そうとしているのかと思いますが、20歳前後の若者の言葉としては不自然で、小説を読み進めるうえで、むしろ引っ掛かりになっていると思いました。

小さい子供から順番に踊る発表会の様子などは、リアリティーがあって、日本舞踊界を垣間見たような感じで楽しめました。