「オーバー・ザ・リミット」を観ました。


新体操選手マルガリータ・マムーン(リタ)が、リオオリンピックで金メダルを取るまでのドキュメンタリーです。

私が新体操を初めてしっかり観たのは、今回の東京オリンピックが初めてでした。
このドキュメンタリーに登場するリタやコーチ達も有名な人だと思うのですが、全く知らなかったので、先入観なしで観ました。

映画が始まった瞬間から衝撃の連続でした。
アミーナコーチが口にする「彼女」とは誰なのか?
優勝できなかった試合後に登場した「彼女」が迫力ありすぎて、怖い((( ;゚Д゚)))
カバエワ(さすがに知っています)などの金メダリストを育て上げたイリーナ・ヴィネルで、リタに向かって、「役立たず」「能なし」と罵ります。
現実に、面と向かって他人にこんな言葉を発する人に出会ったことがないので、驚きました!

練習中も、アミーナコーチは「彼女」の存在を意識しているみたいです。
イリーナほどではないまでも、リタに「馬鹿」や「間抜け」などの暴言を投げかけます。
キスやハグをしたり励ましたりする場面も多く見られるので、こちらのコーチとは信頼関係はあるのだと感じられます。

つかの間の安らぎはスマホでの彼との会話や家族との時間でしたが、父親が癌にかかっていることが途中でわかります。

コーチどうしの反目、というよりイリーナがアミーナに対しても怖すぎます。
身体の痛み、怪我、不調。

リタが新体操が好きなのかどうかすら画面からはわかりません。

イリーナの暴言が激しさを増し、思わずドキュメンタリーでなく、フィクションドラマを観ているような錯覚が起きます。

金メダルのために必要なことなのか?
暴言が指導に必要なのか?
結果が出れば、すべてが許されるのか?

オリンピックでの演技は、映し出されません。
文字のみが淡々と画面に流れます。

リタが金メダルを取ったこと。
ブラジルから戻った2日後に、父親が亡くなったこと。
リタが引退したこと。