第2幕が始まり、人魚姫は暗闇の中に四角く切り取られたような狭い部屋の椅子に、女学生のグレーの制服を着てポツンと座っています。
閉塞感に狂おしくもがく人魚姫。
地上での不自由さを表しているのか、行き場のない苦しみなのか、人魚姫の悲鳴が聞こえてくるかのようで、胸が締め付けられます。
ようやく転がり出た先は、深海の中と思っていいるうちに、いつの間にか王子と王女の結婚式の場面に変わります。
場面展開がなだらかなので、いつも「いつの間にか」という印象を受けます。
人魚姫は赤いドレスを着て、花嫁の友人の中に混じってベールを持っています。
ぎこちなく、それでも王子の側に近づこうと必死な人魚姫に、王子はまるでじゃれつく幼い子供を軽くあやしているかのような態度です。
あくまでも朗らかで優しくて、何も気づかない鈍感な王子。
王女は少し気づいているようにも思えます。
そこにナイフを持った海の魔法使いが現れ、帽子にナイフを突き立てて見せます。
帽子は王子の暗示ですね。
人魚姫は海の中のことを思い出してもらおうとうと、王子に大きな貝を差し出し、黒子にリフトされながらポワントで踊ります。
王子は何かを思い出すかの表情を浮かべますが、近寄って来た王女によって我に帰ってしまいます。
人魚姫の表情が切ない(ToT)