マラーホフといえば、「ヴォヤージュ」の写真をすぐ思い出すのですが、実は観たことがありませんでした。



演目前の語りから

ロシアから西側に来たばかりの頃、モーツァルトのピアノ協奏曲23番を朝昼晩を問わず何度も繰り返し聴いていたら、聞き飽きたマネージャーから作品にするように勧められたそうです。

振付のレナート・ツァネラにOKをもらい

「人生で最も嫌いなものは?」

と聞かれて

「traveling」

と答えたところ

「じゃあ、「ヴォヤージュ」という作品にしよう」

と作られたとのことです。


好きなものではなく、嫌いなものをテーマにするんですね(^o^;)


ダンサーの孤独をテーマにした作品だそうです。


しなやかな身体にシンプルな白いシャツとズボンをまとって踊る姿は、切々と訴えかけているかのようです。

振付の中での一瞬で変わる表情やマイムなどは、何を意味しているのでしょうか?


長年に渡り踊り続けたこの作品は、初期の頃の感傷的なニュアンスから、芸術家の孤高を描き出すように変化を遂げて行ったそうです。


同じ作品を同じダンサーが、いつも同じではなく、作品を掘り下げて深みを増しながら踊り続けて来たのですね。

その変化を客席で観てみたかったです。