「女王の花」和泉かねよし

15巻、一気に2日で読んでしまいました。
ここから先の感想は、ネタバレになるので、ご注意ください。

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では、よろしいでしょうか?


切ない、泣ける、
というのが、よく聞く感想だけど、
単なるラブストーリーではなく、ノブレス・オブリージュが一貫したテーマになっていると思う。
だから、黄妃も亜姫も、そして土妃すらも生まれた時しか、こう生きるしかなかったのかと

亜国に輿入れすることが決まった黄姫が
「私が はたらきもせず
    生かされてきたのは
    国の役に立つ日のため
    それを逃げたら
    天罰が下るわ」
と語る。
王たるもの、王族たるもの
の勤めとは何かを理解した少女の決意が悲しい。

最初は、個人の仇討ちに捕らわれていた亜姫が、巻を追うごとに王としての使命を果たすために、思いを圧し殺していく。
女王になってからは、国のためだけ生きる姿が痛々しい。

予想外の展開というのはあまりなかったけど、
最終巻の「ブサイク」と「毒婦」の主従関係は、思いもかけなかった。
土妃も、すでに正妃がいる国へ、国のために嫁がされた姫だったのだと。

それでも、脇役も含めて女性たちは自らの意思で生き方、死に方を選んでいるのが印象的だ。

青徹、薄星、男性たちは、せつないね。


昨日は、終戦記念日。
自らの意思で、自らの人生を選べる幸せを噛みしめながら。