私が初めてシルヴィ・ギエムを見たのは、2009年1月19日の「モーリス・ベジャール追悼特別公演」でした。


シルヴィ・ギエムというとロレックスのCMの「シックス・オクロック」と呼ばれる耳の真横まで足を上げたポーズの印象が鮮烈でした。


そのギエムが、2005年に封印した「ボレロ」をベジャールの死を悼み、再び踊るということでもう何か月も前から待ちわびていました。


そして当日、赤い円卓の上で「メロディ」を踊るギエム、周囲を取り囲む「リズム」がどんどん増えていくとともに、気分が高まっていき

最高潮に達した時には、もう興奮状態になっていました。

ギエムの身体能力の素晴らしさは語るまでもありませんが、客席を魅了する力は想像以上でした。

カーテンコールは20分以上続いたと記憶しています。


舞台が終わって会場を後にしても「ボレロ」の音楽が鳴りやまず、その後3日間くらいその状態が続いていました。


たった1度の「ボレロ」鑑賞と思っていましたが、なんと昨年再び見る機会に巡り合いました。


2011年11月9日の「HOPE JAPAN」です。

東日本大震災という悲しく恐ろしい出来事にあった日本のため、再び「ボレロ」の封印を解いてくれたのです。


この日はしかも「ボレロ」以外にも「TWO」と「ルナ」を見ることができました。


「ルナ」はしなやかな動きで、振り上げた足が自然に耳や顏に届いていました。

見ていると、なんだかそれがふつうのことのように思えてくるほどの柔らかい動きでした。


「TWO」は、幸運にも前の方の席を獲得できていたため、ライトに浮かび上がるギエムの物凄い筋肉の動きをつぶさに見ることができました。


そして、「ボレロ」

もう エキサイティング! の一言です。

帰りの電車の中で熱に浮かされたような状態になっていました。


この公演に際し、ギエムが贈ってくれたメッセージ


 日本と日本の人々を、心から愛しています。

 長い時間をかけて皆様から与えられてきたもの、その一部を今こそ、お返ししたいのです。


この暖かいメッセージを読んでますますファンになりました。

震災の後、即座にパリでチャリティ・ガラを催してくださったとも聞いています。

バレエだけでなく、お人柄も素晴らしいバレリーナなのですね。

また来日されたら、ぜひ見に行きたいと思っています。