≪物語の出で来はじめの祖≫というと「竹取物語」ですが、古典や近代小説の冒頭の文章がとても好きです。

作者の力が一番入っていて、印象的なものが多いからです。


もっとも好きなのは、定番中の定番王冠1清少納言の「枕草子」

   

 春はあけぼの やうやうしろくなりゆく 山ぎはすこしあかりて

 むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる


すっきりしていてセンテンスが短くて口遊みやすい、情景が目の前に浮かんでくるような美しい文章です。


「徒然草」「方丈記」「平家物語」など、どの作品もリズミカルで印象的な書き出しです。


書き出しのインパクトが強いのが、夏目漱石の「草枕」


 山路を登りながらこう考えた。

 智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。

 兎角に人の世はすみにくい。


いやあ、苦悩していますね。


インパクトの強さでいえば、太宰治の「人間失格」でしょうか。

小説自体は読んでいないのですが、冒頭だけはちょっと忘れられません。


川端康成の「伊豆の踊子」「雪国」や樋口一葉の「たけくらべ」など本当に美しい書き出しです。



私もブログを始めるにあたり、最初の文章は「土佐日記」をもじらせてもらっています(^^)